自由研究にも中学入試対策にも一押し、お料理実験
『ケミ太郎とベジ子の台所サイエンス』は、小学5年生のケミ太郎と小学2年生のベジ子の疑問に渋川先生が答えていくという形で進んでいきます。1章は「お料理で季節を感じるサイエンス」。この章では、「おうちでつくろうひなあられ」「鍋物はやっぱり土鍋だね」など、食べ物の旬や行事・日本の四季にまつわる食材や料理について全17項目が説明されています。
自然な甘さのスイートポテトが作れます。
サツマイモは、蒸しても焼いても、調理に結構な時間がかかりますよね。それは、時間をかけて加熱することにより、サツマイモの中のでんぷんが、マルトースやグルコースといった甘い糖になるからだそうです。電子レンジの加熱で柔らかく食べられるようになっても甘くないのは、その変化がないからだということが分かります。
2章の「キッチンでお料理実験」は、調理中の「なぜ?」についてです。「さとうがお菓子に変身」「好みの食感のクッキー」など、そのまま自由研究のテーマになりそうな実験が全16項目紹介されています。
保温鍋で作ったカレーは、味がよくしみこんでおいしいのです。
写真やイラスト、グラフは、理解の手助けになりますし、実際に自分がレポートをまとめるときの参考にもできます。
なぜこの材料を使うのか、なぜこの時間だけ焼くのか、なぜその温度に設定するのか……その理由が理科的に解説されているので、料理が習慣になっていて、改めて「なぜ」と考えたことのない大人にもおすすめです。
また、食に関する問題は中学入試の柱のひとつでもあります。この本を読んでから一緒にお料理するもよし、お料理後に落ち着いて読むもよし、お料理前後に読むもよし……リラックスしながら親子で学ぶことができます。
台所は、家庭内の理科研究室のようなもの。『ケミ太郎とベジ子の台所サイエンス』を片手に、楽しくおいしい発見をしてみてくださいね。
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