再開発を含め、
各所でマンション建設続く勝どき
隅田川を挟んで築地と隣接する勝ちどきエリアは最近まで再開発とは無縁の地域でした。その勝ちどきが変わり始めたのは2008年(平成20年)。きっかけとなったのは勝どき6丁目に誕生した地上58階建ての超高層マンションを中心とするTHE TOKYO TOWERSです。
以降、開発の動きは加速。特にここ半年ほどでいくつかの、大きな開発計画が動き始めています。その理由としては震災後の防災意識の高まり、長らく頓挫していた環状2号線建設の進行、東京五輪への期待、築地市場移転の影響など、いくつか考えられますが、どれが決め手というよりも、諸条件がたまたま合致したのがこのタイミングだったというのが正しいのではないでしょうか。
計画の中にはまちづくり勉強会の発足というように、実施には時間がかかりそうなものもありますが、話し合う場ができれば時間はかかっても変化は起きてくるはずです。では、どんな場所にどのような計画があるかを、エリアの西側から順に見ていきましょう。
勝どき6丁目~豊海2丁目エリア
倉庫中心のエリアに変化の期待
まずは清澄通り沿いの勝どき6丁目7番とその西側、豊海2丁目。ここは築地市場に近いため、長年倉庫街として利用されてきた場所ですが、一部には築40年近い集合住宅などもあり、以前から建替え計画がありました。一方で、清澄通り沿いの月島警察署は2014年に晴海へ移転する予定ですし、地元の豊海小学校・幼稚園では生徒増が続いており、このままでは2016年度には転用可能な部屋がなくなると改築その他の模索が始まっています。こうした状況をまとめて打開するという意味で、再開発が検討され始めています。具体的な方向その他はこれからですが、街全体の雰囲気が変わる可能性があります。
勝どき5丁目西エリア
都営住宅建替えで地域が変わる?
隅田川沿い、浜離宮恩賜公園の向かいにある勝どき5丁目西地区(5丁目7番、8番、9番と13番の一部)は1969年に建てられた都営勝どき5丁目アパートを筆頭に築年の古い建物、倉庫、駐車場などが目立つエリア。5丁目にはもうひとつ、都営月島アパートという5階建ての集合住宅がありましたが、2012年から解体が始まり、現在は地上53階建ての勝どき ザ・タワーが建設中。住民は墨田工業高校月島分校跡地を利用した都営勝どき5丁目第2アパートに移っています。5丁目の他の建物は2000年以降に建てられたものが主となっており、5丁目西地区の一角だけが最後に残されたエリアというわけです。建替えとなると広大な地域でもあり、話題になりそうです。
勝どき東エリア
水辺近くに3000戸の住宅が
新月島川と朝潮運河に囲まれた、勝どき2丁目から4丁目にかけてのエリアではすでに計画がかなり進行しており、来年にも区の都市計画審議会を経て、都市計画決定が予定されています。現状は川沿いに倉庫が立ち並び、その内側に東京消防庁が所有する土地、建物が立地する場所で、水辺に近い利点を生かし、川沿いには親水プロムナードや防災船着き場などが作られることになるのだとか。新たに建設される4棟は消防署となる1棟を除き、いずれもタワーで、オフィス、商業施設に公共公益施設、さらに合計3000戸ほどの住宅が作られる計画です。
勝どき駅南エリア
駅隣接、幹線道路に面した好立地
勝どき駅出入口、晴海通りと清澄通りの交差点に面するという利便性の高い勝どき2丁目の一角(2丁目8番~11番)でも再開発の計画があります。ここには清澄通り沿いに1971年に建設された都営勝どき2丁目アパートがあり、通り沿いには3階程度の高さの建物も。好立地の土地を有効利用するという意味では検討の余地があるように見えます。 商業施設なども含め、街の利便性アップにつながる開発に期待したいところです。
このエリアの一角では全体の計画とは関係なく、マンションの建設も進んでおり、また、勝どきエリアの他の場所でも同様に多数の建築現場を見かけました。大きな計画はここまでで解説した4エリアですが、それ以外でもあちこちでマンション供給が活発化しているというわけです。
続いて勝どきの東側、月島エリア、さらに晴海エリアでの計画を見ていきましょう。