「何でもできます」は「何もできません」に等しい
次に、ダブルライセンスを持っていることが相手に好印象を与えるかというと、実はそうでもありません。マイナスになることはないでしょうが、相手に「どっちが専門なの?」「何が得意なの?」といった疑問を抱かせてしまいます。例えば、「社労士と行政書士、どちらの仕事もできます」と相手に伝えても、結局どちらの資格の印象も薄くなってすぐに忘れられてしまい、全く仕事が来ない可能性の方が高いでしょう。
大勢の従業員を抱えている大手事務所は別として、一人で開業したばかりでまだ信用やブランド力がない社労士が「何でもできます」というのは、「何もできません」と言っているのと同じように聞こえます。
仕事を取るには、いかに相手に印象を残すかが重要で、むしろ「○○専門社労士です」とか、「○○が得意な社労士です」といったように、より絞り込んだ自己PRが重要とされています。
「餅は餅屋」他士業に仕事を紹介してネットワークを構築
他士業とのネットワーク構築は必須
開業当初で社労士としての仕事がまだ少ないうちは、収入アップのために必要性があるかもしれませんが、他士業とのネットワーク構築のためにはマイナスに働いてしまいます。
社労士が仕事を得るための営業ルートとして、何と言っても一番重要なのが、他士業からの紹介案件ですが、何も信頼関係がないところから仕事を紹介してもらえることはありません。
しかし、こちらから相手に紹介できる仕事があれば関係は一気に高まり、いずれ相手から仕事を紹介される可能性も出てきます。
「餅は餅屋」という言葉がありますが、たとえダブルライセンスを持っていたとしても、他の士業の人達とは上手に協働関係を築いていた方がよいでしょう。
次回は、ダブルライセンスを活用するためのヒントについて少しご紹介したいと思います。