リラックスできる美しい眺めは
住みやすい街を作ってくれる
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人気の街、お屋敷街と呼ばれる街は緑の美しい街でもある |
緑の多い、美しい景観のある街は住みやすい街でもあります。これにはいろいろな理由が挙げられます。ひとつには緑のリラックス効果。色の緑にリラックス効果があることに加え、植物の緑にはそれ以上の効果があり、気持ちが穏やかになります。すると、すれ違って肩が触れたぐらいで殴りあう気持ちにはならないでしょうし、互いに挨拶を交わすようにもなるというもの。暑い夏の日も木陰で涼める街なら、ずっとかりかりし続けなくて済みます。
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個人宅の植栽も街の景観作りには大きな役割を果たす。そうした意識が高い人が住んでいる街は通りがかった人を住んでみたいと思わせてくれるものだ |
きれいに手入れされた緑がある街はいつまでもきれいに保たれます。ゴミはひとつでも落ちていると、捨てても良いと思う人が生まれ、なぜか倍々ゲームで増えていくものですが、落ちていない、きれいな場所に最初にポイ捨てするには勇気がいります。落書きも同様で、地元で落書き消しのボランティアをしている人に聞くと、書かれたらすぐに消さないと、次から次に書かれ、収拾がつかなくなるものだとか。きれいな街にはきれいを保つ、汚い街には汚なくなってしまう循環があるというわけです。
意外!
緑は防災、防犯にも効果あり。
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車道と歩道を緑で遮断するという手もある。安全である上、緑が音も低減してくれるため、車の音がそれほど気にならなくなるという |
緑は防災にも役立ちます。阪神淡路大震災で植栽が火災を食い止めた例が知られているように、植物は古い木造家屋などよりもずっと燃えにくいのです。そのため、東京下町エリアではお年寄りの住む家の周りに鉢植えを置く運動をしているところがあるほど。きちんと水遣りされていれば、鉢植えは防火用水代わりになるからです。また、お年寄りが鉢に水をやらなくてはと思うことで生活にリズムを持たせる、周囲の人が鉢植えの状態をチェックすることでお年寄りの体調の変化などに気づきやすくなるというような効果もあるそうです。
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寺社仏閣も街に残された貴重な緑のひとつ。古い寺社がある場所には緑が残されており、コミュニティが残っていることも多い |
きれいな街は散歩をしたくなるという心理的な効果も生みます。実際、日本で一番長寿の街、青葉台は並木がきれいな街。空気がきれいで四季が感じられる、散歩が楽しい街でもあり、それが住む人の健康増進に役立っているのです。また、散歩や緑の手入れを通じてコミュニティが育まれるという効果もあります。並木や桜の美しい街はそれを手入れしようとする人たちがいてきれいに保たれているからです。
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最近の大規模開発、再開発では広大な緑の公園を配し、街全体の景観を良くするとともに、住んでいる人同士のコミュニケーションの場となるように配慮されていることが多い |
そして、住む人同士のコミュニケーションのある街は犯罪に強い街でもあります。空き巣やひったくりその他の犯罪は人の目を嫌います。誰かに見られている、見知らぬ人、挙動不審な人に不審の目が向けられる街では犯罪は起きにくいのです。
こうして考えてみると、緑の多い、きれいな街は犯罪や災害に強く、安心で快適、人々が穏やかな気持ちで暮らせる街と言うことができます。ストレスを軽減、活力を与えてくれる街でもありますから、健康で美しくありたい人は緑のきれいな街に住むのがおすすめ。緑に癒される日々を送りましょう。
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健康に暮らせる家、街こそが生活の基本。健康は美とも深くつながっている、そんなことを書きました |
ちなみにガイドは街だけでなく、住まいそのものも健康、美容という観点から選びましょうという趣旨で「きれいになる部屋、ブスになる部屋。」と題した本を書いています。特に美しくありたいと願う女性にはご高覧いただきたいものです。