更新時は火災保険加入を確認できるチャンス! |
先日スタッフの実家で火事がありました。そのスタッフの実家では小さなアパートや戸建をいくつか賃貸しているのですが、そのうちの古い戸建が全焼したというのです。
詳しく聞いてみると、放火などではなく、どうやら入居者の火の元の消し忘れが出火原因ということでした。幸いなことは、ケガ人などはなく、また、近隣への延焼もなかったとのことなのですが、火災保険の加入についてトラブルが起こってきたようです。
この事例は火災保険加入の徹底について考えさせられる内容です。スタッフと実家の父親とのやり取りから事例を解説させていただきます。
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スタッフ:「今回は災難でしたね。でも死傷者もなく、周りへの被害もなかったのが不幸中の幸いでしたね。火災保険も入られていると思いますので、あとは、保険会社に対応してもらいましょう。」
義父:「それが、火災保険には入ってないのです。どうしたらいいでしょうか。」
私:「ええ!?本当ですか。でも、お父さんは保険には入られてなかったとしても、入居者は家財保険に通常加入していますよね?」
義父:「それが、もう何年も入居してる人で、保険に入ってるかどうかも分からないと言ってきているのです。」
私:「更新のタイミングで今までは確認されてはないのでしょうか。」
義父:「更新といって、この地方では、何も手続きはしません。ですので、入居してもう7、8年になりますが、火災保険がどのようになっているのか全く分からないのが実情なのです。」
家財保険加入が必須となる理由
入居者には家財保険(入居者が持ってこられる家電や家具等にかける保険)への加入を入居条件としている大家さん・不動産会社が一般的です。
しかしながら、ごく稀に、
「なぜ自分の家財にかける保険までいちいち口出しされないといけないの?保険に加入しようとしまいとそんなの勝手じゃないか!」
と入居者から言われることがあります。
そのような際には、
「もちろん、家財保険へご加入されるかされないかは最終的には入居者様の判断によりますよ。でも、万が一のことがあった場合、責任がしっかりととれますか?ときには何百万円もの損害を賠償しなければならない可能性もありますよ。」
とありのままをお伝えするようにしています。
家財保険には、借家賠償保険が通常セットされていています。建物を燃やしてしまったり、または、水漏れを生じさせてしまったりした場合には大家さんに対して損害賠償責任が入居者には生じます。その損害を担保するものがこの借家賠償保険です。
多くの物件で家財保険加入が条件とされているのは、任意にしてしまうと、上記責任を理解することなく、無保険で入居する方がどうしてもでてきてしまうためです。
幸い、スタッフの実家の物件の入居者は家財保険に加入していたため、事なきを得ました。
実家では今回の出来事で、改めて「更新手続き」の重要性を理解したということです。
2010年2月15日の記事でお伝えしたように、更新手続きのメリットには、「家財保険加入の有無を再確認できる」というのがあります。
こちら側が指定した保険に加入いただくか、もしくは、既に加入しているのであれば保険証書を提示してもらうといった確認作業が本当に大切です。
さらに調べてみたところ、スタッフの実家の他の所有物件でも何人かの入居者は無保険の状態であったということです。
もし自分のアパートの入居者さんで無保険の方がいるとすれば、それだけで本当に大きなリスクを背負っていることになります。
今一度更新手続きの重要性を考えてみる大切さを痛感させてくれる事例です。