人狼は究極のコミュニケーションゲーム
渋谷駅東口から少し歩いたマンションの一室にある人狼ルーム@Shibuya。こちらは、初心者からDeepな経験者まで様々なプレイヤーが集まって、専属のゲームマスター(=人狼ゲームの司会進行、タイムキープなどを担当する人)のディレクションの下、誰でも気軽に参加できる人狼ゲーム専門のプレイスペースです。まずは代表の児玉健さんにお話を伺いましょう。
人狼ルーム@Shibuya代表・児玉健さん
― 人狼ゲームの専用プレイスペースってかなり珍しいですよね。参加者はどんな方が多いのですか?
児玉 20代、30代のお客様が多くて全体の7~8割を占めています。後、女性のお客様が多いですね。お一人でいらっしゃる方も沢山います。
― 女性が多いってちょっと意外な気がします。
児玉 僕が別のフロアでやってるドイツのボードゲームのイベントは参加者の9割が男性なんですが、今流行のリアル脱出ゲームや謎解き系の体験型ゲームでも実は女性の参加者の方がずっと多いんです。人狼ゲームの非日常感が特に女性にウケているのかもしれないですね。
― 初心者とかなり深く人狼をやり込んでいる方が同じテーブルでプレイして楽しめるものなんでしょうか?
児玉 初心者の方でも混乱せず人狼ゲームを楽しんで頂けるよう、独自のルールを設定していますしゲームマスターが常駐していますので安心して下さい。逆に経験者がロジックに拘り過ぎて初心者にやり込められちゃう事もあるんです。特に女性の初心者の方は勘が鋭くって怖いですね(笑)。人狼ゲームって99%がコミュニケーションで形成されていて、プレイする事によって個々の性格もバッチリ出ますので自分を見つめ直すキッカケになるかもしれませんよ。
― 児島さんは人狼をモチーフにした舞台=TLPT(ザ・ライフプレイングシアター)にもゲームアドバイザーとして関わっていらっしゃいますよね。
児玉 TLPTの場合はあくまで「舞台」なので、プレイヤー(俳優) がゲームに勝つという所だけに拘るのではなく、どう非日常感を出せるか、どうキャラクターを見せていくかという所にも重点を置いています。毎ステージ結末が違う訳ですから全部の回を観るという観客の方もいらっしゃいます。twitter等でリアルタイムに情報がガンガン流れますのでライブ感も凄いんですよ。
……と、お話を伺ったところで、この夜開催される人狼ゲームのイベントにガイドもプレイヤーとして参加させて頂く事に!
人狼ゲームで演じる楽しみを体感!
この中で「演じている」のは誰だ?
この夜の参加者は13人。19歳から40代後半まで幅広い年齢構成で、中には大学生の息子さんといらしたお父さんの姿も! GM(ゲームマスター)長谷川さんの進行の下、約3時間で4ゲームが行われました。
友人同士や家族での参加は2組で後は全員お一人でのエントリー。各自の仕事も本名も分からない中、ゲームが進んでいく訳ですが「まあ人狼ゲームは経験者だし……てかこの中で演技経験があるのもワタシだけじゃない?ふふっ。」なーんてタカをくくっていたらヤラれました。まんまと”人狼”のカードを引いてしまった3ゲーム目で「yukiさん、さっきまでと何か違いますよね?」 「声のトーンがおかしいですよ。」と簡単に正体を見破られ、あっけなく投票で処刑されてしまい……やあーん!
ポーカーフェイスで乗り切る人、人狼のカードを引いた途端喋らなくなる人、逆に凄い勢いで喋り出す人、堂々と違う参加者を人狼に仕立て上げていく人等、その方法は様々なのですが……皆、凄いよ! しれっと冷静に嘘を吐き、自然に演じながら生き残りの道を探っていく……。怖い怖い!特に女子!
演劇的な遊び、人狼ゲーム
今回人狼ゲームに久し振りに参加して、他の参加者の言動に集中しながら自分の役割を全うしようとする点や、参加者のキャラクターによってゲームの流れや質がガラっと変わってしまう事、上手く演じ切った人がその場の流れを作って行く事、同じメンバーでも毎回全く違うテンションになる事等、演劇的なゲームだなあ、と改めて実感しました。特にインプロ(即興演劇)と共通項が多いかもしれません。
普段の生活の中でも無意識に「演じて」いるのが人だとは思いつつ、意識的に「演じる」体験をすることで、今まで見えなかった新しい自分と出会えるかもしれない「人狼ゲーム」。あなたも演じる楽しみ、体感してみませんか?