クドカンの面白さを爆発させた映画 『舞妓Haaaan!!!』
■主演阿部サダオ、堤真一、柴崎コウ
■DVD/ブルーレイ発売元
東宝
■あらすじ
舞妓しか愛せないというちょっと風変わりなひょうきん者の鬼塚は、舞妓を目指して京都へと飛びます。そこでは後から鬼塚を追って行った、彼の元恋人の同僚の富士子が彼とよりを戻そうと舞妓になるべく修行をします。
その富士子を巡り、年棒8億円という癖ある内藤という野球選手と鬼塚がバトルを繰り広げます。お茶屋のしきりを早くまたぎたく、鬼塚は色々な手段を使って願いを叶えるのです……。
■おすすめの理由
この舞妓Haaaan!!!は、さすがクドカンがオリジナル脚本を全て手がけたという、面白さを爆発させた面白い映画に完成しています。華やかなお茶屋を舞台に、そこにどうしても行きたいと夢見る男性のひょうきんな姿が更に笑いを誘います。
そのひょうきんな男性を、いつもハイテンションで独特なお笑いを表現する鬼塚役を阿部サダオ氏が演じています。とにかく舞妓と野球拳をやりたいという人で、その願いを叶えるべく、単身でその世界に入ろうと頑張る姿を描いています。
厳格な世界でも、このサダオ氏の演技でみんなを笑わせてしまうのです。野球拳に勝った時にはおもいっきりのしたたかな笑顔を見せますし、街の中でもブリーフ1枚の姿で現れます。男の持っている欲望を、軽快な動きで表現しています。
柴崎コウさんが演じる舞妓さんの姿がとても美しく、その舞も見ものです。コウさんはこの鬼塚の元恋人でもあり、鬼塚を振り返らせる為に舞妓になって頑張るという健気な女性でもあります。そんな舞妓の世界の裏側なども時折おりこんでいて楽しめます。
更に面白いのが、堤真一氏が演じる野球選手とのやり取りです。何かとこの長身でモテル堤真一にライバル心を燃やし、ちっちゃいながらドタバタと戦いを挑む姿がみょうにおかしいのです。
あまり知られていないお茶屋の世界を若い人にもコミカルに見せてくれて、サダオ氏が学生服で街を走り回ったり、タンカで病院に担ぎ込まれたりとじっとしている場面が無いほどに素早い展開で観ている人を笑いの渦に巻き込む映画でお勧めです。