人間の内面に潜む「狂気」を描き出した、ピンク・フロイドの代表作
■アルバム名狂気
■アーティスト名
ピンク・フロイド
■おすすめ理由
1973年に発表されたピンク・フロイドの七作目のスタジオ・アルバム、全世界で大ヒットを記録し、日本でもオリコンチャートで最高2位まで上昇しました。
プログレッシヴ・ロックのジャンルを超えた、ロック史に残る名盤です。
彼らの作品の中でも「ザ・ウォール」「炎~あなたがここにいてほしい」と並ぶ代表作で、アメリカでの人気を決定的にしました。
ピンク・フロイドの歴代作品は、概ねコンセプトが明確でその評価を讃えられ続けています。
この作品も同様です。
人間の内面に潜む「狂気」を「The Dark Side of the Moon」すなわち月の裏側の暗闇に例えて描き出すという考案は、中心人物ロジャー・ウォーターズによるものです。
哲学的な歌詞、それを際立たせる立体的な音作りの面でも、完成度の極めて高い作品に仕上がっています。
70年代のアナログ主流な頃に、ロックを崇高に作り上げた、その膨大な時間投資へ尽力したのは、プロデュースのアラン・パーソンズによるところが大きく、あまりにも音に敏感になり過ぎて、メンバー共々、後半には感覚が麻痺し出したと後日語っています。
曲中にレジスター、心臓の鼓動、笑い声、会話、爆発音、時計の針、飛行機といった様々なSE効果を導入していて、その為の製作に相当骨を折ったようです。
また、アルバムの最初から最後までを曲と曲とがつながり、複数の曲があたかもひとつの作品のようになっているという点が特徴で、物語性を表現しています。
そこにはかつてのメンバー、シド・バレットの姿も重ねられていると言われています。
「ローリング・ストーン誌の選ぶオールタイム・ベストアルバム500」では第43位にランクインしています。