70年代の喪失感を反映したスライ&ザ・ファミリー・ストーンの代表作
■アルバム名暴動
■アーティスト名
Sly & The Family Stone
■おすすめ理由
スライ&ザ・ファミリー・ストーンが1971年に発表したアルバムで、彼らの代表作として広く認められ、1970年代最も偉大で影響力のあるアルバムの一つに選ばれています。
それまでのアルバムとは異なり、暗く不吉なサウンドを導入し、70年代に多くの人々が沈み込んだ、夢や希望の喪失感を反映したものとして表現されています。
当初は「アフリカは君に語りかける」 (Africa Talks To You) というタイトルで発売される予定でした。
一応バンド名義になっていますが、その殆どは中心人物スライが一人で宅録を重ねて制作しました。
カリフォルニア州サウサリートに建てたプラント・スタジオかベル・エアの邸宅の屋根裏に設けたスタジオにこもり、時折他のメンバーの演奏が含まれた曲も収録していますが、全員が揃って演奏するのではなく、別録音したものをオーヴァーダビングするという方式です。
そのような手間と時間を要し、本来は1年前にはリリースする契約だったところが大幅に遅れ、所属するエピックレコードをやきもきさせたと言われています。
しかしその甲斐もあり、陽気でノリが命だったそれまでのファンクやブラックミュージックの概念を塗り替え、リズムボックスの単調な流れに、重く引きずるようなビートを加えた、新しい社会派ファンクを確立、その出来栄えは後々高評価を得る事になります。
不安を抱えた70年代アメリカに呪いをかけるシャーマンのような、ダークで淡々とした作品です。