ザ・ウェイラーズの門出となる記念碑的アルバム
■アルバム名キャッチ・ア・ファイアー (Catch a Fire)
■アーティスト名
ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ
■おすすめ理由
ザ・ウェイラーズのメジャーデビューアルバム、1973年にアイランド・レコードからリリースされました。
それまでレゲエ不毛の地とされていた日本でも、このアルバムの登場によって認知されることになりました。
ボブ・マーリーは世界中で、特にカリブやアフリカからのヨーロッパの移民や、米国のアフリカ系アメリカ人達の間では、特別な存在となり、社会的・政治的内容の歌詞と攻撃的な音が多くのリスナーに衝撃を与えました。
「ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500」の123位に選ばれています。
ボブの音楽はラスタファリ運動の思想を背景としており、今でも熱い支持者の下で聴かれています。
イギリス海軍大尉、及びジャマイカ最大の建設会社「マーリー・アンド・カンパニー」を経営していたノーヴァル・マーリーと、ジャマイカ人女性セデラ・ブッカーとの間に生まれた混血児、その為幼少期には、周囲の黒人とは異なる容姿から「ドイツ人」というアダ名でいじめられていた彼を救ったのは、まさしく音楽でした。
ジョー・ヒッグスという伝説的なレゲエ・ミュージシャンより、音楽的薫陶とラスタファリ運動の教えを受けました。
それは一生涯、彼の中で揺らぐことのない信念となり、ザ・ウェイラーズはレゲエおよびラスタの象徴的存在として世界に広まります。
「キャッチ・ア・ファイアー」こそ、その門出となる記念碑的アルバムです。
一般的なロックとは全く異質で、8ビートは重く低音を引きずるようでいながら、その上を何気にギターがカッティングし続ける、そんなカリブ海の音楽をイギリス生まれの音楽プロデューサー、クリス・ブラックウェルが見出し、レゲエを世界中に広めた功績が称えられロックの殿堂入りを果たしています。