独特の空気感とワクワクさせるような展開の漫画
■作品名アビル少年映画を作る
■作者名
長谷川和志
■連載雑誌
ビックコミック・スペリオール
■おすすめの理由
お金はなし、際立った才能があるわけでもなし、友人もいないアビル少年がいきなり「映画作り」を思い立つ。
しかし、何から始める?と悩みながら、「とりあえず始める」という頼りない力の抜けたような所が面白い、学園青春漫画です。
■あらすじ
阿比留(アビル)少年は、特に映画好きという訳でもなかったのに、友人に誘われてなんとなく観た映画に、頭の中の悩みがふっとぶほど衝撃を受け「オレ、映画撮るわ」と呟く。
でも、「なんであんなこと言うたんやろ」と自分の気持に半信半疑なアビル。
学校でもぼ~っとしていて影の薄いアビルは、特に友達も仲間もいないが、ある日かなり個性の強い春日と出会い、こいつと組もうと根拠もなくカンだけで決めてしまう……。
なんとなくぼ~っとした感じで、ちょっと冷めている部分もあるアビル少年が、友人になって一緒に映画を作ろうと近づいたのは、驚異的な身体能力と、何でもめちゃくちゃ勘違いする鈍感さを持ち合わせた春日。
真逆にいるこの二人の会話のテンポは大阪弁ということもあり、すごく小気味がよくて面白いんです。
「夢叶えようぜ!」と突っ走るかっこいい青春というよりも、映画作りという「夢」だけあって、
「で、どないすんねん」というガクッと来るような展開と、独特の空気感が何とも言えない雰囲気。
少しづつ、なんとなく近づきつつある……のかも?と、
ワクワクさせるような展開が楽しみな漫画です。