一気に全巻読んでしまえるほどの吸引力がある作品

 

 

■作品名
漂流教室

■作者名
楳図かずお

■巻数
単行本:全11巻、文庫版:全6巻

■おすすめの理由
恐怖マンガの名手、楳図かずおの名作です。
週刊少年サンデーに連載されていたのが1972年から1974年なので、私が生まれる前の作品ですが、今読んでも熱いマンガです。

サバイバルホラーといえば、(私が読んだのは『ドラゴンヘッド』『GANTZ』『彼岸島』などですが)恐怖シーンがありながら、クールさやシュールさを併せ持っているためか、あくまでマンガの中の話でしょ?というちょっと冷めた目線で読んでしまう感じでした。

しかしこの『漂流教室』は読む者の魂に訴えかける作品のパワーが強すぎて、作品の中に引っ張り込まれてしまい、高松翔たち、大和小学校のクラスメートと同じ視点でストーリーを追わされます。怪虫がおそってきたときは同じように息を止めてやりすごし、ペストが流行したときは薬を探すお母さんを「はやくはやく!」とせかしたり……。
冷静に考えたら、そんなこと起こり得ないだろう!! トラブルが次々と起こりすぎじゃないか?(特に怪物系が襲ってき過ぎな感があります)と思うのですが、毎回翔たち小学生が必死に無慈悲な現実と戦っているのを見ると感情移入せざるを得なくなってしまうんですよね。

そしてクライマックス、あれだけひどい目にあいながらも砂漠の未来世界で生きていく決意をする子供たちに心打たれます。登場人物が大人だったらあんな発想は決してできないでしょう。
すごい怖いマンガだったのにこの最後のすがすがしさは何なんだろう。この結末の為に我々は(実際にはマンガの登場人物たちだけですが)幾多のむごい試練を受けなければならなかったのか……と妙に納得をしてしまったりもします。

画風のおどろおどろしさゆえ敬遠される方もおられるでしょうが、だまされたと思って読んでみてください。読みだすと一気に全巻読んでしまえる吸引力があるので、ぜひ手元に全巻揃えてから読まれることをおすすめします。




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