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空海が見た風景を訪ねて 「冬の高野山」

標高1000m近い高野山の冬は厳しく、積雪もかなりの量。でも空海は、ことさら冬を選んで高野山入りしていたようです。空海の見た風景の片鱗でもうかがい知ることができればと、冬の高野山に行ってみました。今回は、2010年にハイキング道として復活した旧・不動坂を歩きました。

投稿記事

冬の高野山を好んだ空海

 

 

標高1000m近い高野山の冬は厳しく、積雪もかなりの量。でも空海は、周囲が「自殺行為だ」といって止めるのも聞かず、ことさら冬を選んで高野山入りしていたようです(※)。
空海による開創当時の、人跡稀な高野山を想像することは、山上の宗教都市・観光都市に発展した今となっては困難ですが、空海の見た風景の片鱗でもうかがい知ることができればと、冬の高野山に行ってみました。

※空海の詩文集『性霊集』や書簡集『高野雑筆集』によって知られています。

 

 

 

 


昔の面影を残す旧不動坂・女人道

高野山に行くには、南海難波駅から高野線で終点極楽橋駅に下車し(所要1時間45分、850円)、ケーブルカーに乗換えて、ケーブル高野山駅からバスで高野山の各地に向かうのが一般的。
でも今回はケーブルカーには乗らず、不動坂、それも車が通れる幅でいかにも道路然とした
現在の不動坂ではなく、2010年にハイキング道として復活した旧・不動坂を歩きます。
終点の女人堂までは徒歩1時間。そこから、嶽弁天を経る山越えの女人道を徒歩40分で大門へ。
かつて女人禁制で高野山に入れなかった女性が歩いた女人道も、現在はハイキング道として整備されています。積雪は深くても足首くらいですし、急坂は階段になっていて、思ったより歩きやすいです。

雪化粧した伽藍の美しさは格別

根本大塔など高野山の中心となる伽藍が建ち並ぶ壇上伽藍は、大門から徒歩15分ほど。
空海が在世中に堂宇を構えた場所といわれています。もはや当時の建物はありませんが、
雪化粧した伽藍の美しさは格別。思わず手を合わせたくなるような荘厳さをかもし出しています。

一人旅がおすすめ

空海ゆかりの霊場を巡るお遍路の用語に「同行二人」というのがあります。一人で旅していてもお大師さま(空海)がいつも一緒にいるという意味です。訪れる人も少なく静かな冬の高野山では、にぎやかに繰り出してその静寂を破るのは無粋というもの。「同行二人」の精神で一人旅がおすすめです。

ベストコンディションを期するなら日帰り

どうせなら、半ば解けて泥や塵で汚れた雪よりも、真っ白な新雪を見たいもの。強い寒波が通過し新雪が降り積もった直後の、穏やかな天気の日が狙い目ですが、宿泊予約で日程があらかじめ拘束されると、なかなか思うようにはいきません。その点、日帰りなら臨機応変に行けて有利です。


■高野山
住所:和歌山県伊都郡高野町高野山600番地(高野山観光協会)
電話番号:0736-56-2616(高野山観光協会)
金剛峯寺拝観料金:一般 500円、小学生 200円、未就学児 無料
金剛峯寺拝観時間:8:30~17:00
アクセス:www.koyasan.or.jp/tazuneru/access/index.html

※データは記事公開時点のものです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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