どんな人でも基本的なしつけに変わりはありません

 

 

■書名
『花のある女の子の育て方―強く聡明なレディのための42項』(1996年)

■著者
酒井美意子

男の子向けの育児本に比べて、格段に少ない女の子向け育児本。
ですが、実際に女児と男児の両方を育てていて思うのが、
「成長とともに扱い方が難しくなってくるのが女の子」であると感じます。
これは、娘が生まれたときに、夫が書店で見つけて購入してきた本です。

■おすすめ理由

著者の酒井美意子さんは、いわゆる華族のご出身。
幼少期をイギリスで過ごした「帰国子女」で、女子学習院時代は
「成子内親王(現天皇陛下のお姉様)のご学友」で……となれば、正真正銘の「お嬢様」。
ちょっと庶民の育児本としてはどうなのかしら?と思いながら手に取ったのですが、
書いてあることは至極真っ当なことばかり。つまり、お姫様だろうが庶民の娘だろうが、
人としての基本的なしつけに変わりはない、ということです。

この本は単に「玉の輿にのれるようなお嬢様」を育てるための本ではありません。
サブタイトルが「強く聡明なレディになるための42箇条」であることからもわかるように、
我が子をただ「強い」だけではなく「聡明な」女性に育てるにはどうすればよいか、
ということをかなり具体的に示した本です。

こうあるべき母親像も示している育児本

読んでいて「なるほどな」と思うのは、ただ単に「娘さんをこんな風にしつけなさい」と
述べるのでなく、「母親がこうあるべき」だと示している点です。
つまり、母親自身に、強く賢い女性であれと説いているのです。
私などは正直、読んでいて少々胸が痛くなることもあります……。

「お稽古事はぜひ一流の先生に習わせなさい」
「他人に痛い思いをさせたら、体罰を通してその痛みを教えなさい」
「結婚は一日でも早くとアドバイスしなさい」等々、
中には今どきのお母さん方から反感を買いそうな極端なご意見もありますが、
華族にとって厳しい時代をエチケットやマナーや社交術の評論家として生き抜いて
こられた方ならではの子育て本だと思います。

■作品データ

出版社:PHP研究所
価格:520円

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