不動産売買の法律・制度/ガイド:平野の私的不動産用語集

耐火建築物

「耐火建築物」についての用語解説です。建築基準法による「耐火建築物」と税法上の「耐火建築物」は、規定する対象が異なるので注意しなければなりません。(2017年改訂版、初出:2006年8月)

執筆者:平野 雅之


耐火建築物

【たいかけんちくぶつ】

建築基準法における「耐火建築物」と、税法上の特例要件で規定される「耐火建築物」は、それぞれ意味合いが異なるので注意が必要。

建築基準法では主要構造部が耐火構造であるもの、耐火性能の技術的基準に適合しているもの、延焼のおそれのある外壁の開口部に防火設備を設けたものなどの基準が定められ、各構造部ごとに耐火性能(非損傷性、遮熱性、遮炎性)や耐火時間などの具体的数値が明示されている。

また、建築基準法においては「耐火建築物」よりも緩やかな基準による「準耐火建築物」も定められている。

これに対して税法上の特例要件で規定される「耐火建築物」は、あくまでも建物登記上における主たる部分の構成材料のみで判断され、石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造に限定されている。

その他の構造は税法上では「非耐火建築物」であり、木造だけでなく軽量鉄骨造も「非耐火建築物」とされる。たとえどんなに優れた耐火性能を有する木造が開発されたとしても、今後、規定が改正されないかぎり税法上における「耐火建築物」とはならない。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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