不動産売買の法律・制度/ガイド:平野の私的不動産用語集

手付金等の保全措置

「手付金等の保全措置」についての用語解説です。一定額以上の手付金等を支払うときには、必ず保全措置を講じてもらうようにしなければなりません。(2017年改訂版、初出:2006年8月)

執筆者:平野 雅之


手付金等の保全措置

【てつけきんとうのほぜんそち】

宅地建物取引業者が売主となり、宅地建物取引業者ではない者が買主となる売買契約において、一定額を超える手付金等を売主が受け取るときには、規定された方法による保全措置を事前に講じなければならない。

保全措置を講じなくてもよいのは、未完成物件の場合には売買金額の5%以下かつ1,000万円以下、完成物件の場合には売買金額の10%以下かつ1,000万円以下の手付金等である。

保全措置の対象となるのは、売買契約締結時の手付金だけではなく、中間金または内金など、名目が何であろうと売買代金に充当されるものはすべて該当する。

従って、手付金支払い時には保全措置の必要がなくても、中間金の支払いによって手付金との合計が一定額を超える場合には、その全体について保全措置を講じなければならない。

買主は一定額を超える手付金等を支払う場合、保全措置に基づく「保証証書」や「保険証券」などと引き換えに支払うことになるので注意が必要。

なお、物件の引い渡し前に買主名義による所有権移転登記や所有権保存登記をした場合には、一定額を超える手付金等でも例外的に保全措置を講じなくてもよいことになっている。

>> 手付の額の制限

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