署名・記名・押印・捺印
【しょめい・きめい・おういん・なついん】自分の姓名などを手書き(自署)することを「署名」といい、その書き記されたもののことを指す場合もある。
一方、「記名」には署名の意味もあるが、契約書などの文書で「記名」と使う場合には、あらかじめ印刷されたりゴム印を押したりするものを指す。不動産の売買契約書などでは「署名」が原則だが、売買当事者が法人や常連客の場合などには「記名」で済ませることも多い。
「押印」と「捺印」はほぼ同じ意味で用いられるが、「押印」が主に印鑑を押す行為そのものを指すのに対し、「捺印」は「押印」の意味だけでなく押された印影のことを指す場合もある。
売買契約書の最後にはたいてい「本契約締結の証として売主および買主が署名捺印し(後略)」などと記載されているが、あらかじめ売主と買主の住所・氏名などを入力して印刷されている場合には、「記名捺印」または「記名押印」でなければおかしいことになる。
そこまでこだわってもあまり意味はないが……。
文書作成に慣れた人が作った契約書などをみると、さりげなく文言を入れ替えてあったりして気配りが感じられる。ただし、最近ではどちらでもよいように「署名(記名)捺印」「署(記)名捺印」「署名または記名押印」などとあらかじめ印刷された味気ないものも多い。