映画/口コミでおすすめの文芸映画(邦画)

過酷で数奇な運命を生きる海の男「おろしや国酔夢譚」

鎖国時代に嵐で日本を離れざる終えなくなった男達が、異国の地でなんとか帰郷しようと努力を重ねながら数奇な運命を辿っていく……。井上靖の長編小説で、日本文学大賞を受賞した「おろしや国酔夢譚」が原作の映画です。緒形拳さんを始め、いい役者さん達が勢揃い。いぶし銀のような演技が光ります。

投稿記事

史実に基づいた鎖国中の理不尽さを描いた作品

■作品名
おろしや国酔夢譚

■監督

佐藤純彌

■主演
緒形拳、川谷拓三、三谷昇

■DVD発売元
角川映画

■おすすめの理由
作家、井上靖の長編小説で、日本文学大賞を受賞した「おろしや国酔夢譚」が原作の、1992年に公開された映画です。

鎖国という時代背景の日本で、広大なシベリア大陸を転々とし帰郷ヘの道を探る、日本人達の苦悩の運命を描いた話です。

■物語は……
江戸時代後期、伊勢国の港を拠点とした運輸船の船頭をしていた大黒屋光太夫(緒形拳)。

光太夫らを乗せた神昌丸は、伊勢から江戸に向かう途中に嵐に遭遇する。

8ヶ月の漂流後、ロシア帝国のアムチトカ島に漂着した乗組員達。

どんどん仲間が死んでいくなか、光太夫らは現地の言葉を学びながら帰国への道を探りつつ、流木や古材などで船を作るが……


緒形拳さんを始め、いい役者さん達が勢揃い。

いぶし銀のような演技が光ります。

特に緒形拳さんの流暢なロシア語を話すシーンは見どころ!

流石だなあという感じです。

鎖国時代に嵐で日本を離れざる終えなくなった男達が、異国の地でなんとか帰郷しようと努力を重ねながら数奇な運命を辿っていく。

史実に基づいた話だそうで、彼らの苦労と数奇な運命に、いかばかりの思いであっただろう……と考えさせられてしまいます。

命からがら祖国日本に戻ってきた彼らは、勇者とも讃えられるべき存在なのに、鎖国中だからと迎え入れない幕府の融通の効かない理不尽さ。

今もそのような考えが日本に根付いていることも含め、怒りを覚えます。

ロシアの協力のもと、長期に渡り大規模なロケを行ったという、迫力の映像も見どころです。



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