高倉健さんが演じる、愚直なまでに駅と列車を守っていく男
■作品名「鉄道員 ぽっぽや」(1990)
■監督
降旗康男
■主演
高倉健、大竹しのぶ、広末涼子
■DVD発売元
東映ビデオ
■おすすめの理由
1999年に公開された「鉄道員 ぽっぽや」は、直木賞を受賞した浅田次郎・著の短編小説を映画化した作品です。
北海道の雪深い小さな駅で、鉄道員として日々を送ってきた男の人生を綴ったストーリーです。
■物語は……
北海道、幌舞線の終着駅である幌舞駅の駅長を務める佐藤乙松(高倉健)は、蒸気機関車のカマ炊き、機関士を経て駅長になった鉄道一筋の男。
幼い娘が死んだ日も、愛妻が死んだ日も、休まず駅に立ち続けて来た。
そして廃線になることが決まった幌舞線。
乙松のもとにかつての同僚が、リゾートホテルでの再就職の話を持ち込むが、鉄道員一筋だった乙松はその申し出を受けない。
そんな乙松の前にある日、人形を抱えた「佐藤」と名乗る少女が表れるが……
浅田次郎さんの原作も非常に良いのですが、高倉健さんが愚直なまでにローカル線の駅と列車を守っていく男を見事に演じています。
そんなに頑張らなくてもいいのに……と思ってしまうほど、毎日ただ駅に立ち続け、娘も妻の最後の日でもかたくなに職務を全うする乙松。
不器用というか頑固というか、とうの昔に置き忘れられてしまった男の気骨を感じて、切ないです。
そしてちょっと不思議で温かくて、儚い……そんな思いがじんわりと残るいい映画です。