北野作品を苦手とする人にもオススメできる青春映画
■作品名キッズ・リターン(Kids Return、 96年)
■監督
北野武
■主演
金子賢、安藤政信
■DVD/Blu-ray発売元
バンダイビジュアル
■おすすめの理由
北野映画は、いわゆる堅気でない世界を描いていることが多く、かつ、そういう作品が(国内でも海外でも)評価が高かったりするのですが、本作だけは別のようです。
北野映画のそうした傾向を好まない人たち(実は私自身そうです)も、本作は好きだという人たちが多い。
それはおそらく、かつて誰にでもあった「若気の至り」を、あたたかい視線で、肯定することも否定することもなく、淡々と描いているように感じられるからかもしれません。
あとは、登場人物のリアリティさというか、ああいうどうしようもない大人っていたなとか……でも、自分だってそういう「大人」になっているかもしれないし、どうこう言える立場にはいない。
というより誰にも、ああだこうだ言える権利など本当はないのかもしれません。
ラストシーンに、当時は賛否あったようですが、今思うと、そのままに受け取ることもできるし、裏をとろうとすればそれもできるような気がします。