山崎まさよしさんの存在感がリアリティを与えた作品

■作品名
『月とキャベツ』

■監督
篠原哲雄

■出演
山崎まさよし、真田麻垂美、鶴見辰吾、ダンカン、中村久美

■DVD販売元
ケイエスエス


シンガーソングライター・山崎まさよしの名前を世に知らしめた映画。
孤独な男女の、ひと夏の出会いと別れを描いた作品です。

バンド解散後、曲が作れず、田舎で廃校舎に住みながらキャベツ栽培をしている花火(山崎まさよし)。そんな彼のもとに、花火のファンであるという謎の少女ヒバナ(真田麻垂美)が現れる。そのままま花火の家に居付いてしまうヒバナだったが……。

山崎まさよしさんの本業はミュージシャンですから、あちこちで評されているように、決して演技が達者なわけではありません。
そのぶん、自然体で撮影に臨まれていたのでしょうね。
そんな彼の独特の存在感が、作品にゆるぎないリアリティをあたえています。

また、山崎さんと並ぶと、女性が非常に美しく見えるのです。
この作品では、華奢で可憐なヒバナが魅力的に描かれていますが、これは山崎さんの力が大きいかも知れません。
女優さんより目立ってしまう俳優さんが多いなかで、あえて俳優ではない本物のミュージシャンを起用して映画を作ったのは正解だったかも。これがキムタクだったら、こうはいかない……。

個人的には、花火がヒバナを抱きかかえるように静かにピアノを弾くシーンがいちばん好きです。
重なった手と手のアップにじーんときます。

ちなみに、主題歌の『One more time、One more chance』は、この映画のために作られたのだろうと思い込んでいましたが、実は映画を撮る前にすでに出来上がっていたのだとか。
あまりにもこの映画の世界観にぴったりなので、びっくり。

世界の中心で愛を叫んだり、今、君に会いに行ったり……はしないけれど、優しく切なくあたたかなファンタジーです。





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