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50周年の記念作品で遺作となった黒澤作品

『まあだだよ』は内田百間の随筆を原案にして、戦中から戦後にかけての百間の日常と、彼の教師時代の教え子との交流を描いた映画。黒澤明の監督生活50周年、通算30作目の記念作品で、遺作となった作品です。

投稿記事

内田百間の日常と教え子との交流を描いた映画
『まあだだよ』(1993)

 

 

■監督
黒澤明

■出演
松村達雄(内田百間)、香川京子、井川比佐志、所ジョージ

■DVD/Blu-ray発売元
パイオニアLDC


■おすすめ理由
人に慕われる人は無邪気で、素直で、あることが多いように思われます。『まあだだよ』の主人公内田百間先生は博識で、無邪気で、素直であり、弟子たちは「先生は金無垢である」と心に留めてきました。

内田百間は大学や海軍兵学校でドイツ語を教え、作家でもありました。『まあだだよ』は内田百間の随筆を原案にして、戦中から戦後にかけての百間の日常と、彼の教師時代の教え子との交流を描いた映画で、黒澤明の監督生活50周年、通算30作目の記念作品で遺作となった作品です。

全編を通して、酒膳を囲んだり、パーティだったり、ビールや日本酒などをグイグイ飲む、飲みっぷりのいいシーンが多く、そして歌が絡むシーンとなります。『あおげば尊し』、『月』、『おつきさまえらいな』、『オイッチニの薬屋さん』、『だいこくさま』など主人公の言う「アンリルソーの絵のように無邪気で、素直な」童謡や愛唱歌です。ひとつひとつの歌の担う役割は大きく、音楽映画のジャンルにセグメントしてもいいのではないでしょうか。

鉄道が好きで随筆には『阿房列車』など列車紀行を残している内田百間を偲ばせる鉄道シーンや、内田百間の随筆『ノラ』に記載される猫好きの程度もシークエンスに入っています。そして、『本当に好きな物、大切な物を見つけたら努力しなさい』と遺言のように子供たちに言葉を贈る先生は、映画を観る人すべての『あおげば尊しわが師』です。



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