ラブコメディをからめた音楽映画
『月とキャベツ』(1996)
■監督篠原哲雄
■出演
山崎まさよし(花火)、真田麻垂美(ヒバナ)
■おすすめのポイント
キャベツの産地は高原であったり、岬のうねる丘であったり、どこも素敵な景色で胸のすく思いがします。主人公の花火やヒバナはキャベツだけをまるでモンシロチョウのイモムシのように美味しそうに食べています。
何をやってもダメな時はあるもの。人気バンドのボーカルだった主人公の花火は、創作に行き詰まり、バンドを解散して東京から離れた山の麓で音楽活動から離れキャベツを作る生活をしていた。
埋立地の草っ原に走って来たバス。躍る少女がバックミラーに映ったのは夏のはじめの頃。言葉を交わし、何か心に残ったその少女ヒバナが、月夜にキャベツを育てる花火の前に表れ、特別な夏休みが始まります。
ヒバナがいることで消えかかった創作の心の火が再び燃焼し始めます。
キャベツを作りながら創作ができるなんて、羨ましい限りですが、千切りキャベツの脇にトンカツやエビフライが並んでいて欲しいものです。
とびきり暑い夏でも、いつかは、夏は過ぎ去り、夏休みはずっと続かず、懐かしい思い出に変ります。子どもの心をもった人にとって、それは哀しい出来事と重なります。『月とキャベツ』はラブコメディをからめた音楽映画です。
映画のテーマ曲「One more time, One more chance」は同時期に発売しました。通算5枚目のシングルで徐々にチャートを上昇するロング・ヒットとなり、アルバム『HOME』はオリコン・アルバムチャートで最高4位を記録、累計売り上げ30万枚を越えるヒット作となったのは、『月とキャベツ』が大きく影響しています。
ただ、埋立地の草っ原にヒバナを運んできたバスは京成バスではなく、土砂に汚れた見たことのない北海道のバスでなくてはならないと思うのですが、監督。