映画/口コミでおすすめのアクション映画(邦画)

「北野武の間」と「久石譲の音」が絡み合う

『ソナチネ』は、北野武監督4作目の映画です。音楽監督は久石譲。暴力団の抗争が題材で、凶暴性に寄ったアクション映画にセグメントされますが、ヤクザの悲哀を込めたスラップスティックコメディのように映ります。「21世紀に残したい映画100本」にも選ばれた名作です。

投稿記事

「21世紀に残したい映画100本」にも選ばれた名作
『ソナチネ』 (1993年)

 

 

■監督
北野武

■出演
ビートたけし(村川組組長)、大杉漣(村川組幹部)、寺島進(村川組組員)、勝村政信(良二)

■DVD販売元
バンダイビジュアル

■おすすめポイント
人と人とを近づけた携帯電話普及の功罪は様々あげられます。例えば、映画でもテレビでもドラマの展開で携帯電話の占めるポイントが高まって来ています。ポケットにある携帯電話を手にすれば、遠くにいる人物と横に引き出すことができ、推理小説で最後に「これは夢でした」と言った禁じ手だったプロットに近い物があります。それが、日常でも行われていて、時代を映し出すドラマだから致しかないです。

『ソナチネ』は登場人物が携帯電話を使っていない時代です。誰もが携帯電話でつながっている訳ではないので、連絡を取るにも固定電話までの距離があり、用のある人の元へ出向かなくてはならず、そこには間ができます。その間の作り方がドラマに余韻を生んできました。

暴力団の抗争が題材となっている『ソナチネ』ですが、ケンカが起きても、爆発があっても、人が殺されても、当事者以外は、動じない間を保っています。映画だから、何でもありで、見たくない人は見ないでいいと言う、ケツマクリ感も面白いです。映画PRのキャッチコピーも「凶暴な男、ここに眠る」と凶暴性に寄っていてアクション映画にセグメントされますが、ヤクザの悲哀を込めたスラップスティックコメディのように映ります。

『ソナチネ』は、北野武監督4作目の映画です。ナレーションがなく、観る者が状況把握するのに時間がかかり、難解だと思われる要因となっているのではないでしょうか。音楽監督は久石譲。ソナタ形式で繰り返される主題曲は日本アカデミー賞音楽賞を受賞しました。音楽同様スタイリッシュな内容は1994年にロンドン映画祭やカンヌ国際映画祭で上映され、ヨーロッパで高く評価され、イギリスのBBCによって「21世紀に残したい映画100本」にも選ばれた名作です。

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