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黒澤組のスタッフたちが映画化した作品「雨あがる」

黒澤監督が亡くなって一年後、監督の遺稿となった脚本をもとに、黒澤組のスタッフたちが映画化した作品です。良くも悪くも、非常に黒澤色の強い作品に仕上がっています。本作では、雨が非常に重要な役割を果たしています。最後に、からりと晴れた青い空になるところに救いを感じます。

投稿記事

一度は訪れてみたくなる美しいロケ地

■作品名
雨あがる

■監督
小泉堯史

■出演
寺尾聰、宮崎美子、三船史郎、吉岡秀隆、原田美枝子、檀ふみ、井川比佐志

■DVD販売元
角川書店


ずっと黒澤明監督作品だとばかり思い込んでいたのですが、製作は1999年。
黒澤監督が亡くなって一年後、監督の遺稿となった脚本をもとに、黒澤組のスタッフたちが映画化した作品です。

剣の達人でありながら、なかなか仕官になれない浪人の三沢伊兵衛(寺尾聰)。ある日、三沢の剣の腕を見初めた通りがかりの藩主・永井和泉守は、彼を藩の剣術指南番に迎えようとするものの……。

いかにも人の良さそうな三沢を、寺尾聰さんが肩の力を抜いた演技でひょうひょうと演じています。
三沢の妻役の宮崎美子さんもいいです。どんなときも夫を静かに支え続ける、優しくてしっかり者の妻。
日本ではすでに絶滅したかも知れない、究極の理想の奥さん像がそこにあります。

本作では、雨が非常に重要な役割を果たしています。
仕官の道を求めつつも、その性格が災いして思うようにいかない人生。
主人公の心のありようを、降る雨が見事に体現しています。
最後に、からりと晴れた青い空になるところに救いを感じます。

監督の小泉堯史氏は、黒澤監督の助監督を務めていたとか。
良くも悪くも、非常に黒澤色の強い作品に仕上がっています。

背景となった撮影場所が美しいのもポイントです。
掛川城を中心に、静岡のあちこちでロケを行ったそうですが、ぜひとも一度訪れてみたくなりました。


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