映画/口コミでおすすめのコメディ映画(邦画)

悲しみに暮れる葬式をユーモアたっぷりに描いた作品

お葬式を出す過程での人間の愚かさと滑稽さを、ユーモアと皮肉たっぷりに描いた作品。本来ならば悲しみに暮れるであろう儀式を、ある種のブラックユーモアを持ちながら、デフォルメしています。監督の凄い点は面白おかしく描きながら、最後はきちんと死者哀悼の気持ちを描いていること。不思議と奥深い作品に仕上がっています。

投稿記事

本来の意味を再確認させてくれる奥深い作品 『お葬式』

■監督
伊丹十三

■主演
山崎努、宮本信子

■DVD/Blu-ray発売元

東宝

■おすすめの理由

二人の息子を持つ、俳優の夫婦である井上佗助と雨宮千鶴子に千鶴子の父が亡くなったと連絡が入ります。家族で父の別荘へ向かったが、夫である佗助にとってお葬式は初めてのことであり、何もかも分からないことばかりでした……。

お葬式を出すまでの過程をユーモアと皮肉を交え、描いた伊丹十三監督の初めての監督映画作品です。

この映画の興味深い点は、お葬式という本来ならば悲しみに暮れるであろう儀式を、ある種のブラックユーモアを持ちながら、デフォルメして描いていることです。お葬式を出すということは生涯誰にでも起こりうるものです。現代ではお葬式は死者を送り出すという反面、儀式に法って葬式を出すという事務的なものでもあります。この映画ではある夫婦がその初めて死者を送り出す葬式の過程での人間の愚かさと滑稽さをユーモアたっぷりに描いています。

伊丹十三監督の凄い点は、この映画の大半で、お葬式という儀式の事務的な側面を面白おかしく描きながら、最後はきちんと死者哀悼の気持ちを描いていることです。残されたものが死者を想い涙を流すという感動的な場面となっています。

この点を描くことにより、お葬式の本来の意味を私たちに再確認をさせ、不思議と奥深い作品に仕上がっています。伊丹十三監督の力量が光る作品です。



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