様々な映画賞を受賞した石井聰亙監督の卒業制作
『狂い咲きサンダーロード』

■監督
石井聰亙(いしいそうご)現・石井岳龍

■主演

山田辰夫

■DVD販売元

ビデオメーカー

■あらすじ
近未来の日本、架空の街「サンダーロード」を舞台に、暴走族・魔墓呂死(まぼろし)の武闘派特攻隊長・仁と、暴走族の連合組織「エルボー連合」、政治団体「スーパー右翼 国防挺身隊」の三つ巴の戦いを描いたウルトラバイオレンスアクション。

■おすすめの理由
本作は先鋭的な作品を作り続ける石井聰亙監督が日大藝術学部の卒業制作として弱冠22歳の時に発表したインディペンデント映画です。

80年代を代表するカルトムービーの1本でありながら様々な映画賞を受賞した評価の高い作品です。

過激な暴力描写と際どい台詞で万人向けの作品ではありませんが、ぶっ飛んだ世界観の破天荒さや従来の映画文法に囚われない奔放な表現で、映画好きの方なら1度は観ておきたい作品の一つです。


作品最大の魅力はその世界観と表現法

例えば設定が近い作品と比較すれば『仁義なき戦い』的な組織的暴力のドラマとも、『マッドマックス』的な個人の暴力集団への闘争的復讐劇とも、『北斗の拳』的な世紀末的世界における求道的なアクションとも本質的に異なります。

主人公・仁は社会の底辺、殺人でも何でもありの力と暴力が支配する組織において、自分を押さえつけようとするものは幹部だろうが首領だろうが怖れず怯まずお構いなしに敵対・闘争します。

そしてそれは自由を求めて、といったものでなく内なる暴力衝動、本能に根ざすものです。それがフィクション的、ファンタジー的な映画文法で描かれないことで一種異様な迫力を伴うリアリティが生じます。

さらに泉谷しげるさんのパンクな音楽・美術と相まって、突き抜けた暴力の疾走がまさに狂い咲き、観客は全身をアドレナリンが駆け巡る様なカタルシスを共有します。

これは後の塚本晋也監督の『鉄男』にも通じる暴力描写の深化した形です。


自主製作映画(インディペンデント映画)の魅力

もう一つの魅力は自主製作映画(インディペンデント映画)である点です。

興行収入の枷に縛られず個人の自由な考えが反映させられるこの映画のフィールドは多くの優れた人材を輩出しました。

80年代は「ATG」「日活ロマンポルノ」「角川映画」畑からの潮流も合流しエネルギッシュで自由な作風の魅力的な名作が多く生まれました。




■All Aboutで「毎月の家計」について、アンケートを実施中です!
回答いただいた内容をAll About記事企画の参考にさせていただきます
※毎月5名の方にAmazonギフト券1000円分をプレゼント

「毎月の家計についてのアンケート」に回答する


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。