オーディションや生活の厳しさもシビアに描かれた80年代を代表するミュージカル映画

 

 

■作品名
コーラスライン(1985年公開)

■監督
リチャード・アッテンボロー

■主演
マイケル・ダグラス、アリソン・リード

■DVD販売元

ジェネオン・ユニバーサル

■おすすめの理由

舞台版では2時間30分の上演時間中、暗転も場面転換もほぼなく、奥に鏡が置かれた裸のステージ上のみで物語が進んで行くのに対し、映画版は劇場の外でオーディションエントリーの列に並ぶダンサーたちの表情や、ニューヨークの街を警備する騎馬警官の姿を捉えるシーンから始まります。初めてこの映画を観た時「ああ、映画版は空間の広がりが凄いなあ。」と感動したのを良く覚えています。

■あらすじ
沢山の応募者の中から残された16人のダンサーと、後から駆け付けオーディションに参加する事になった落ちぶれたスターのキャシー。舞台上に引かれた1本の白い線……。メインキャスト(役名がある主要キャスト)以外はその線の前に出ることが許されない「コーラスライン」の上に一列に立つダンサー達に、演出家のザックは彼らが予想もしなかった言葉を投げかけます。「さあ、今日は君達自身の事を語って貰おう。どうしてダンサーになろうと思ったんだ?」……と。

最初は戸惑ったり、ふざけたりしていたダンサー達も、いつしかこれまでの自分の人生について語り始めます。時に切なかったり、可笑しかったり、シリアスな問題を抱えたりしている彼らの人生。


舞台版と映画版の1番の違いは、この作品のキーナンバーの1つである「愛した日々に悔いはない」の扱いだと思います。前者はその場にいるダンサーたち全員が「この日々が報われなくても悔いはない」と歌うのに対し、映画版ではキャシーが元恋人のザックとの思い出を歌う場面で使われているのです。

公開当時その描写に、舞台版を愛する人たちからは批判も出た映画版の「コーラスライン」ですが、縦横無尽に動くカメラのお陰で、ダンスシーンやダンサーたちの表情はより細かく表現されていたと思いますし、この映画の日本での大ヒットが引き金になって、実際に舞台を観に劇場に足を運ぶ人も増えました。ショービジネス……ブロードウェイのオーディションやその後の生活の厳しさも本当にシビアに描かれていたと思います。

コーラスラインに立つダンサーたちの服装や髪形、ダンススタイル等、今観ると時代を感じ、なかなか感慨深いものもありますが、間違いなく80年代を代表するミュージカル映画です!



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