コッポラ所有の映画工房「ゾーイトロープ・スタジオ」で撮られた作品
■作品名ワン・フロム・ザ・ハート (82)
■監督
フランシス・フォード・コッポラ
■主演
フレデリック・フォレスト、テリー・ガー
■DVD/Blu-ray発売元
ジェネオン エンタテインメント(DVD)/角川書店(BR)
■おすすめの理由
フランシス・フォード・コッポラ監督が、超大作『地獄の黙示録』(79)の次に撮ったミュージカル・ファンタジーです。
タイトルは「一途な心」とでも訳せばいいのでしょうか。
フレデリック・フォレストとテリー・ガーが演じる中年カップルが、大げんかの末に元の鞘に納まるまでを描いています。
2人の新たな恋の相手としてナスターシャ・キンスキーとラウル・ジュリアも登場します。
■映画の見どころ
男女の会話を音楽で表現することを考えたコッポラが、フォレストとガーの気持ちを、トム・ウェイツとクリスタル・ゲイルの歌で代弁させた点。
さらに、ネオンきらめくラスベガスをはじめ、すべてのシーンがコッポラ所有の映画工房「ゾーイトロープ・スタジオ」のセットで撮られた点にあります。
名手ビットリオ・ストラーロが撮った人口の美が光ります。
ところが実験的な試みが観客に受け入れられず興業的に大失敗。
ゾーイトロープは売却され、自前のプロダクションでの映画作りを目指したコッポラの夢は終わりを告げました。
この映画はいろいろな意味で時代を先走ったものだったとも言えます。
現在の目で見ればまったく違う評価がくだるかもしれません。