ちょっとひねくれたフランス映画の青春の描き方
■作品名小さな泥棒 (1988年 フランス)
■監督
クロード・ミレール
■主演
シャルロット・ゲンズブール
■あらすじ
舞台は1950年代のフランスの田舎町。
ここで暮らす16歳のジャニーヌの母は5年前に家を出て、彼女は叔父と叔母の家で暮らしている。彼女は退屈な毎日を万引きするという行為を繰り返していた……。
■おすすめ理由
フランソワ・トリュフォーの名作「大人は判ってくれない」の少女版ともいえるストーリー。
16歳という少女の多感な感情、大人や社会への反発、孤独感。
繊細な心を持ちながらも、万引きという大胆な行為を繰りかえすジャニーヌという少女を、当時まさに16歳だったシャルロット・ゲンズブールが等身大で演じています。
監督は大ヒットした「なまいきシャルロット」と同じクロード・ミレール。
私はシャルロット・ゲンズブールの大ファンなのですが、数ある彼女の主演作の中でも、この映画の中のシャルロットが大好きです。
壊れそうに繊細、でも本当は自分をしっかりと持っている。でも寡黙でそれを人に見せることはしない頑固さとアナーキーさ。
そんなシャルロットのアンニュイさと芯の強さの二面性の魅力を堪能できる映画だと思います。
繊細で多感な少女が、大人への階段を登る時期を切り取った貴重な映画でもありますし、アメリカ映画とは違ったちょっとひねくれた「青春」の描き方はさすがフランス映画!という内容でお気に入りの作品です。
ちょっと背伸びしてハイヒールを履くシャルロットの足元のショットのポスター&ジャケットもおしゃれです。