不気味さの中にコメディ要素もあるホラー映画
■作品名バタリアン(1985)
■監督
ダン・オバノン
■主演
クルー・ギャラガー
■DVD販売元
20世紀フォックスホームエンターテイメント
■おすすめの理由
この作品は、ゾンビ映画の最高峰でもあり、その後のゾンビ映画の礎にもなったジョージ・A・ロメロ監督の「ナイト・オブ・リビング・デッド」のパロディというか、続編のような感じのストーリーで、ホラーですがコメディの要素もある作品です。
■あらすじ
アメリカのケンタッキー州にある医療界社で働くフレディ。
ある日先輩のフランクから「ナイト・オブ・リビング・デッド」という映画は実話で、軍隊の移送ミスで大量のゾンビが会社の倉庫に保管されていることを知る。
そしてその容器を見に行った二人は、ゾンビの入っている容器を叩いてしまい、突然ガスが吹き出しそれを吸い込んで倒れてしまう。
実は、それは死体をゾンビ化させるガスだった。
意識を取り戻した彼らは、倉庫にいた医学用に保管されていた死体がゾンビとなったので捕まえて焼却。
しかし、その煙は雨雲を呼び雨となり大地に染み込み、墓地に眠る死体が次々とゾンビとなり蘇ってしまう。
そしてガスを吸ったフレディとフランクも……。
会社の備品置き場の倉庫にガスが流れ出してしまい、死体をゾンビとして蘇らせるので、半身になっている犬の剥製がゾンビになって吠えたり、標本になっている蝶が蘇ったり……などのシーンはかなり不気味です。
ガスを吸って徐々にゾンビとして死体が蘇るオープンングのシーンの音楽も、いかにも「これから何かが起こるぞ~」という気分を盛り上げる曲でドキドキ。
この映画に登場するゾンビ達は、自分で救急を要請したり、質問に答えたりとかなり個性的。
しかも、ゾンビの唯一の退治法である頭を打ち抜いても死なない……そして不気味なんだけど、どこか笑える。
フレディとフランクのユーモラスな演技も秀逸ですし、他の役者さん達も、ゾンビに襲われパニックになる演技が自然で良かったです。
最後の結末の付け方は、いかにもアメリカという国らしい方法で、もしかしたら、軍や政府に対する皮肉も込められているのかな~などと感じました。
ちなみにバタリアンは「大隊」、「大群」の意味でこれを元に「オバタリアン」などという流行語が生まれました。