著者のディープな体験に触れる 『スペインうやむや日記』
■書名スペインうやむや日記
■おすすめポイント
著者の塚越千秋さんは画家でありながら、フラメンコの唄、カンテに魅せられ自らも唄い手となった経歴のもち主です。アンダルシア地方のジプシー、ヒターノたちとの交流や、マドリードの夜の闇が魅惑的に描かれています。
現代社会はグローバル化が進み、日本人も国際人とならなければならない時代となってきました。西洋に対するコンプレックスを感じていては、グローバル化を果たすことができません。
海外の都市や人々の表面を覆う部分のみと接っするばかりでなく、その奥に潜む文化に触れていかなければなりません。この本には、アンダルシア地方やマドリードでの著者のディープな体験が満ち溢れています。そこに国際人であり、自由人でもある著者の視線が注がれます。ユニークな体験が、結構辛口に語られている場面も数多くあります。
文章の中に挿入されている数々の挿絵は、スペインをモチーフとし、画家ならではの感性に満ち溢れています。きっと、「おフランス」ではなく、正真正銘のヨーロッパを知ることができるでしょう。
■スペインうやむや日記
著者:塚越千秋
出版社:集英社文庫
発売日:2002年2月25日
定価:667円
※データは記事公開時点のものです。