スペイン人との出会いと別れを繰り返した1年半のスペイン生活
■書名スペイン430日
■おすすめポイント
著者の堀田善衛は、日本を離れスペインに居を移しました。1977年7月から430日にわたってスペインに滞在し、夥しい数のスペイン人と接しながら旅を続け、見聞を広め、思索を巡らしました。
約1年半に及ぶスペインでの生活の中で、著者はヨーロッパの歴史と現実をリアルに再発見しました。スペインに滞在した430日の生活が、日記形式で克明に描かれています。
この本以外にも小説やエッセイを数多く書いている著者が日記形式で書いているのですが、そこには数々の旅路に満ち溢れ、少し種類が異なる旅行記として読むことができます。描かれるスペインの光景は1977年のものですが、現代でも全く色褪せることないインパクトをもっています。
旅をすれば、おのずと旅した地域の人と接することになります。『スペイン430日』の中には、著者と大勢のスペイン人との出会いと別れが溢れています。430日にわたってスペインを旅行できる人はそうはいないでしょうが、430日の何分の一でも、実体験をしたいものです。
■スペイン430日
著者:堀田善衛
出版社:ちくま文庫
発売日:1989年9月26日
定価:660円
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