ガイド記事 で分析しました。
ところが日本テレビ系水曜22時枠『ダンダリン』は10月2日スタートと異例に早く始まります。この理由はたぶん、今年春から裏のフジ系が連ドラ枠になって競争が激しくなったからでしょう。
特に10月からのフジ系水曜22時は『リーガルハイ』の新シリーズ。前作は好評、さらに主演の堺雅人が『半沢直樹』の大ヒットで評価を上げました。これまで以上に戦いが激しくなると見て、先にスタートして視聴者をひきつけようという作戦でしょう。
スタートが早すぎて、タイミング的に10月になってから紹介する予定の他の秋ドラマと同じ記事では書けません。
そのため『ダンダリン』は先に紹介します。それに通常の秋ドラマ紹介では深夜枠なので取り上げない、読売テレビが制作する木曜23:58枠、10月3日スタートの『ハクバノ王子サマ』も変わった試みをしているのであわせて取り上げます。
10月2日(水)スタート
『ダンダリン 労働基準監督官』
日本テレビ系水曜22:00~原作:田島隆(とんたにたかし)/鈴木マサカズ「ダンダリン一〇一」
脚本:秦建日子
演出:佐藤東弥、中嶋悟
プロデューサー:三上絵里子、柳内久仁子
チーフプロデューサー:伊藤響
主題歌:松任谷由実「今だけを きみだけを」
出演:竹内結子、松坂桃李、風間俊介、水橋研二、トリンドル玲奈、大島蓉子、賀来千香子、西田尚美、石野真子、大倉孝二、佐野史郎、北村一輝
労働条件の向上を図っていくことが任務だが実態はお役所仕事が多い労働基準監督署。しかし段田凛(竹内)は労働基準法などのルールをまっすぐに貫く、曲がらない止まらない労働基準監督官。「前の署では署長をハゲさせちゃった」という彼女は男性監督官たちの静止を振り切り、サービス残業、名ばかり管理職、パワハラ経営者などの問題に立ち向かっていく。
「ブラック企業」が問題になる現在にピッタリの企画、また主人公の変わった名前がタイトルで、タイトルだけなら『半沢直樹』以上のインパクトがあります。
竹内結子は日本テレビ連ドラ初主演ですが、この3月に放送された、LCC・格安航空会社を舞台にした『チープ・フライト』に主演し視聴率14%台と好評。三上プロデューサー、中島演出と主力スタッフは同じなので、同一路線でしょう。
微妙なのは秦建日子脚本、『ホカベン』『ジョシデカ』などオリジナル作はもう一つですが、原作ありだと傑作『ドラゴン桜』があり期待できるか?
ただこの時間枠のヒット作というと『ハケンの品格』『ホタルノヒカリ』と普通の会社にちょっと変わったヒロインというのが多いのですが、最近は『黄金の豚』の会計検査庁、『トッカン』の税務署など職業の方を変わった方にするようになり、以前ほどのヒットにはなってないのが気になるところです。
まとめると裏の『リーガルハイ』の方がやや優勢、ただ先攻の強みを活かせれば勝機も、というところでしょう。
チーフプロデューサー
『ダンダリン』の内容には直接は関係しないのですが、チーフプロデューサーが変わったことが気になります。2012年の夏ドラマ以降、水曜22時枠と土曜21時枠は『家政婦のミタ』をヒットさせた大平太チーフプロデューサーがすべて担当してきました。ところが10月からの『ダンダリン』と土曜21時枠の『東京バンドワゴン』は伊藤響チーフプロデューサーが担当に。
異動ではないとすると考えられるのは遊川和彦脚本の新作準備。
大平チーフプロデューサー、『家政婦のミタ』以外も『女王の教室』『曲げられない女』『リバウンド』など遊川作品のヒット作を担当しています。『家政婦のミタ』大ヒットの後、朝ドラ『純と愛』があって日本テレビではご無沙汰でしたが、来年、新作が始まりそうな予感がします。
次は「奇策!『ハクバノ王子サマ』」