「騙された」と思わせてしまった
8,000円も払ったのに……と思った人も少なくないのでは
さらに悪いことには、この課金しなければプレイが制限されるというキャンペーンモードの情報をバンダイナムコゲームスが発売直前まで公開しなかったことです。ユーザー側は、プロモーションビデオを見て期待して予約し、そして7,980円という決して安くない金額を払ってソフトを購入しました。39万人ものファンが、期待して、信頼して、お金を払ったんです。しかし、キャンペーンモードを遊び、その信頼を裏切られたと感じたユーザーがたくさんいました。中には、騙された、と思った人もいたでしょう。
さらに、格闘ゲームとしても問題が続出。永久コンボと呼ばれる一度始まったら途切れること無く繰り返すことができる連続技が発見されたり、システムの穴をついた偏った戦法が横行したり、オンライン対戦において操作を入力してからゲームに反映されるまでにタイムラグがあったりと、不備が目立ちます。インターネット上で不満の声が上がり、評価が下がっていきました。
中古の買い取りが殺到し、引きづられるように新品の価格が下がる
市場に出回っている数が多く、買い取りが多数あり、でも発売直後しか売れないという条件が揃ったゲームの結末は、かなり高い確率でワゴン行きです
生産出荷というのは、店舗に届いた在庫の数ではなく、工場で生産した時点の数を言いますので、店頭消化率ということで言えば8割よりさらに高い数字が達成できていたと考えられます。これは他のゲームと比較しても低くない、むしろ高めの数字です。なので、冒頭申し上げた通り、出荷し過ぎて安くなったというわけではないんですね。
しかし、39万本さばいた後、状況が激変します。だまし討のような課金の仕組みがユーザーの怒りに触れ、格闘ゲームとしての不備も目立ってしまったため、お店に売りに行くユーザーが大量に発生します。
店舗から見ると、ジョジョASBの買い取りが異常に増えることになります。買い取りが増えるとどうなるか、店舗の中古在庫が増えるので買い取り価格が下がって行きます。在庫が増えて買取価格も下がると連動して中古販売価格が下がります。中古価格がグングン下がっていくと、新品のソフトを購入する人が少なくなります。評判が悪いならなおさらですね。
消化率がいいとはいえ、売上規模が大きいだけに絶対数はありますから、新品ソフトの売れ行きがピタッと止まれば、お店としては価格を下げざるを得ません。かくして、中古ソフトの価格に追随する形で新品ソフトの価格も下がり、あっという間に半額以下になってしまったのでした。
これ以上ない好スタートを切ったにもかかわらず、ユーザーの反感を買い、値崩れを起こしてしまったジョジョASB。バンダイナムコゲームスは急いで対策を講じますが、根本的な解決は中々難しいかもしれません。