電子マネー/電子マネーの選び方

ネット上の通貨からリアルに広がる「WebMoney」

株式会社ウェブマネーが提供するプリペイド型電子マネー「WebMoney」。SNS、オンラインゲーム、音楽、動画配信など、インターネットにおける代表的な支払い手段となっています。従来はオンラインを中心にサービスを展開してきたWebMoneyですが、「WebMoneyストアーカード」を開発し、「横浜DeNAベイスターズカード」を発行するなど、リアル店舗に利用シーンを広げています。

池谷 貴

執筆者:池谷 貴

電子マネーガイド

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 Web上のさまざまなコンテンツで使え、個人情報の入力は不要

「WebMoney」は、2012年度の実績で、約500万人の利用があり、年間1000億円強の売上を記録しています。近年は、Mobage(モバゲー)、GREEなど、ソーシャルゲームを中心としたスマートフォンや携帯コンテンツでの利用が伸びていますが、その支払いで「WebMoney」が多く利用されています。

「WebMoney」は、「1POINT=1円」として、Web上のさまざまなサービスで利用可能です。また、個人情報の入力や面倒な手続きは不要。16桁の英数字「プリペイド番号」を支払い時に入力することで、ネットショッピングやオンラインゲームの利用時に決済できます。また、支払い時にプリペイド番号を入力する方法に加え、専用の「ウェブマネー ウォレット」に金額をチャージすれば、最高50万円(50万ポイント)まで買い物が可能となっています。

セブン-イレブンやイトーヨーカドーなどで陳列販売

セブン-イレブンなどで陳列販売されている「WebMoneyカード」

セブン-イレブンなどで陳列販売されている「WebMoneyカード」

「WebMoney」の購入は、全国約4万2000店舗のコンビニエンスストアやWebで簡単に行えます。コンビニエンスストアでは、マルチメディアキオスク端末でレシートを発行し、レジで店員に「申込券」を渡して支払い後、WebMoneyの「プリペイド番号」が記載された用紙を受け取ることができます。また、Webでは、無料のウォレットを開設し、クレジットカードやインターネットバンキングを利用して購入できます。

2013年5月からは、店頭の陳列棚から希望の金額を選ぶだけで簡単に購入できる「WebMoneyカード」の販売を開始。商品ラインナップは、2000POINT(2000円)、5000POINT(5000円)、10000POINT(1万円)の3種類となり、セブン-イレブン、イトーヨーカドー、PC DEPOT、HMVなどで販売を行っています。

ボタン1つで入力から決済まで可能なアプリを提供

アプリを起動後、プリペイド番号を撮影して自動認識して番号を自動入力する

アプリを起動後、プリペイド番号を撮影して自動認識して番号を自動入力する

今後、スマートフォンを利用してゲームや音楽を楽しむ機会がさらに増えるでしょう。ウェブマネーでは、その際に便利な、プリペイド番号自動読み取りツール「ウェブマネーアプリ –カメラで撮ってカンタン自動入力-」を開発。iOS、Android OSのスマートフォン向けに配信しています。

従来は、手元のプリペイド番号(16桁英数字)をWeb上での決済画面に手動で入力し決済を行う流れでしたが、ウェブマネーアプリでは、ボタン1つでプリペイド番号の入力から決済までをスムーズにかつスピーディに行えるそうです。これにより、外出先でも便利にスマートフォンを利用してゲームや音楽、買い物などを楽しむことが可能になりました。ウェブマネーによると、今後は、お得情報などの機能もアプリに追加していきたいそうです。

横浜スタジアムで使える「横浜DeNAベイスターズカード」

「横浜DeNAベイスターズカード」デザインの「WebMoneyストアーカード」

「横浜DeNAベイスターズカード」デザインの「WebMoneyストアーカード」

また、昨年からは、Webだけでなくリアル店舗でも利用できる、リチャージ型プリペイドカード「WebMoneyストアーカード」の販売を行っています。

例えば、横浜DeNAベイスターズ、横浜スタジアムと協業し、ネットでも球場でも使えるリチャージ型プリペイドカード「横浜DeNAベイスターズカード」の販売を開始。監督や選手がデザインされた同カードは、横浜スタジアム附設の横浜DeNAベイスターズオフィシャルショップで販売され、横浜球場内で利用可能マークが表示された店舗(31店舗)でのグッズ購入や飲食時に支払いが可能です。また、球場内に設置してある「WebMoneyセルフチャージターミナル」でカードの発行・チャージにも対応。さらに、従来通り、インターネットの「WebMoney」加盟店でも利用できます。

「WebMoneyストアーカード」は全国のauショップでも販売を行っており、今後もリアル店舗での利用を増やしていきたいそうです。

ウェブマネーでは、「数年後にはWebMoneyのポイントの半分はストアーカードで流通させたい」と意気込みを見せています。また、インターネットについては汎用的なカードとしてサービスを提供していましたが、リアル店舗の場合は特定の企業に限定したハウスカードとしても展開が可能だそうです。現状、リアルでの利用店舗は一部に留まりますが、導入企業にとっては、POSの改修もしくは安価な決済端末の設置で済み、設備投資を低く抑えられるため、今後の広がりに期待したいですね。
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