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写真で見る被災地のその後 3 ≪陸前高田≫(3ページ目)

東日本大震災から2年半を迎える2013年9月、岩手県陸前高田市を訪れました。かつての住宅街には草が生い茂り、家の跡をかき消していました。一方、高台では住宅地の造成工事が進んでいました。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

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陸前高田 みんなの家

陸前高田の「みんなの家」は、市民や県外から来た方々の交流の場となるように願いをこめて、建築家の伊藤豊雄氏、乾久美子氏らから無償で提供された10坪ほどの小さな建物です。

【写真6】陸前高田の「みんなの家」

【写真6】陸前高田の「みんなの家」



塩害を受けた地元の杉を利用

みんなの家は、現在ではNPO法人が管理しており、市民を始め被災地支援ボランティア、陸前高田市来訪者など、陸前高田に集う人に広く開放しています。私たちが訪れた時も、何組もの見学者がきていました。

【写真7】空へ向かって伸びるように、丸太が使われている。

【写真7】空へ向かって伸びるように、丸太が使われている。


みんなの家の頭頂部です。塩害を受けて枯れた地元の杉を構造材として使用。まるで空へ向かって伸びるように丸太が立っています。屋上にははしごを使って登ります。

市街地と、海を見渡せる小高い地に建つ


【写真8】みんなの家の屋上からかつての市街地、海方向を見る。

【写真8】みんなの家の屋上からかつての市街地、海方向を見る。


みんなの家は、海から少し離れた山裾の小高い場所に建っており、この建物の屋上からは、遠く海まで続く、今は更地になった土地を見渡すことができました。

ヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞

みんなの家は陸前高田を始め、仙台市宮城野区、釜石商店街、東松島グリーンタウンやもと、岩沼市、釜石市平田地区、東松島宮戸島にあり、この被災地支援活動の建築プロジェクト「みんなの家」は2012年のグッドデザイン賞を受賞しました。また、陸前高田のみんなの家は第13回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展国別参加部門の最優秀賞である、パヴィリオン賞(金獅子賞)を受賞しています。

みんなの家は、最初は被災された皆さんが集える場の提供ということで、一時的なものとして造られました。これが今後どのように使用されていくのか、どのくらい長く使われるのかは未知数です。しかしその建物のあり方や建築的な意味合いが注目され、県内外から多くの人を呼び寄せています。

「被災地を忘れないでほしい」

みんなの家は、地元の皆さんの願いの一端を担っていると感じました。

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