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てにをはがおかしい?正しい日本語(助動詞)の使い方

てにをはがおかしいかどうかを見直しましょう。文章にする際に、「てにをは」の使い方によっては、日本語の意味が違ってくるものや受ける印象が変わります。相手に誤解なく自分の意思を伝えるためにも大切な「てにをは」の違いや注意点をお伝えします。

井上 明美

執筆者:井上 明美

手紙の書き方ガイド

<目次>
 

てにをはがおかしい? その文章・日本語、適切ですか?

てにをはがおかしい?正しい日本語の使い方

文章を書く際に時折問題になる「てにをは」。その違いや使い方を見直してみましょう


文章を書く際に、よく「てにをは」がおかしいなど、その使い方が問題になることがあります。「てにをは」とは、漢文を訓読するときに、補って読む助詞、助動詞、用言の語尾、接尾語などの総称のことで、昔、漢文を訓読するときに漢字の四すみにつけた訓点を、左下から右回りに続けて読むと、「てにをは」となるところからきたものです。中でも、主に助詞の使い方を指すことが多く、文脈が整わないようなことを「てにをはがおかしい」などと言います。

「明日、出張で京都に行きます」 「明日、出張で京都へ行きます」などは、行く場所は「京都」であり同じですが、「京都に」のほうは定まった場所を指し、「京都へ」のほうは、そちらの場所へというような、大体の場所、方向を指すといわれます。この場合は、行き先が京都という意味は変わりませんが、次のような場合は、助詞の使い方によって、文章の意味が違ってきます。
 

「てにをは」による意味の違い……日ごろよく使う2つの例文

■例文 :1
A「彼は、鈴木さんです」
B「彼が、鈴木さんです」

■例文:2
「コーヒーと紅茶どちらがいいですか」と聞かれた場合
A「では、コーヒーで」
B「では、コーヒーを」

 

では、ABの違いはどんなところにあるか、詳しく見てみましょう。

■例文 :1
A「彼は、鈴木さんです」
B「彼が、鈴木さんです」

Aの「彼は、鈴木さんです」は、彼は誰かという意で、誰かであるか表す
「鈴木さん」の部分に重きを置いた表現。それに対して、Bの「彼が、鈴木さんです」は、「彼」の部分に重きを置いた表現という違いがあります。

■例文 :2
「コーヒーと紅茶どちらがいいですか」と聞かれた場合
A「では、コーヒーで」
B「では、コーヒーを」

Aの「コーヒーで」は、自分を主張しすぎないで相手への遠慮や気遣いという意も含まれているのでしょうが、コーヒーにしたいのであれば、B「コーヒーをお願いします」などの表現のほうが、相手にも誤解なく伝わるものです。

似たような文章であっても、ときには助詞の使い方ひとつで、言葉の意味や印象が違ってくることもあります。相手に誤解を受けることのないように、またうまく自分の意思を伝える意味でも、うまく使い分けたいものですね。

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