マウントアダプターでレンズをリユース
レンズ交換ができるミラーレスや一眼レフカメラを購入したのに、結局持っているのはダブルズームキットだけという人はいませんか。その理由として、交換レンズは意外と高価、なかでもキレイなボケが得られる開放絞り値の明るい単焦点レンズは大きく、重く、高価という現実が立ちはだかっています。確かに交換レンズは高価で、数本揃えればカメラボディーの価格を上まってしまうほど高価なものです。レンズを揃えると今までキヤノンだったけど、今度のニコンの新製品が良さそうだからといって、別のメーカーのカメラに乗り替えることも困難になります。
そこで、注目していただきたいのがマウントアダプターと呼ばれるアクセサリーです。カメラボディーに純正の以外のレンズを取り付けるためのもので、使いたいレンズのメーカーごとに専用モデルがあります。3000円以下で手に入るタイプが多いので気軽に購入できます。もし、ご自宅に古い一眼レフカメラと交換レンズがあれば、そのメーカーのマウントアダプターによって、今、使っているミラーレスや一眼レフに、オールドレンズを装着して撮影できるようになります。今回はミラーレスに絞って話を進めましょう。
マウントアダプターには交換レンズのメーカーによって、それぞれ専用タイプが用意されている
まず、マウントアダプターを購入するために2つのことを確認してください。使いたいカメラボディーは何か? ミラーレスの代表選手であるマイクロフォーサーズを例にしてみます。具体的にはパナソニックのLUMIXシリーズか、オリンパスのPENシリーズになります。使いたいのは銀塩一眼レフカメラの交換レンズとします。銀塩一眼レフは35mmフルサイズで、マイクロフォーサーズのセンサーはこの半分の面積なので、焦点距離は2倍になります。つまり35mmレンズなら70mm相当、50mmなら100mm相当と望遠化されます。今回の目的はキレイなボケですから、レンズが望遠化することはメリットになります。なぜなら、焦点距離が長くなるほど背景はボケやすくなるからです。交換レンズのメーカーは、ニコン、キヤノン、ペンタックス、ミノルタなどがあります。
マウントアダプターを使った撮影方法
それでは、実際にマウントアダプターを使って銀塩用交換レンズで写真を撮ってみましょう。マウントアダプターへのレンズの着脱方法はボディーにレンズを付けるのと同じ方法でおこないます。マウントアダプターが付いたら、今度はそれをカメラボディーに装着します。カメラ側の設定として、まず撮影モードダイアルでAを選択します。これは絞り優先AEモードです。レンズの絞りを選ぶとカメラ側が自動的に適正露出を決めてくれます。次にパナソニックのボディーの場合は設定画面の「カスタム」から「レンズ無しレリーズ」の項目を選びONにしておきます。
LUMIXのミラーレスを使う時は、設定画面の「カスタム」から、「レンズ無しレリーズ」の項目をONにしておく。
これで準備完了です。マウントアダプターを使うとAF(オートフォーカス)は使えないので、AFの交換レンズ使用時でもMF(マニュアルフォーカス)、つまり、自分でピントリングを回してピントを合わせる必要があります。この時、フォーカスエイドと呼ばれる機能が使えるカメラであれば、液晶画面に緑色のLEDが点灯してピントが合っていることを教えてくれます。また、液晶画面の一部を拡大してピントを分かりやすくする機能が使えることもあります。
背景をボカすためには、絞りを開けた方がいいので、レンズの絞りリングを回して数字の少ない、F1.4とF2などにします。ただし、周囲が明るい場合はシャッター速度が限界まで早くなり、適正露出で撮影ができないことがあります。この場合は、少し絞ります。
デジタル一眼レフ用の交換レンズの中には絞りリングのないタイプがありますが、それらのレンズは専用のマウントアダプターを使う必要があります。
こちらの交換レンズには絞りリングがないためオールドレンズ用のマウントアダプターでは使用できない。
マウントアダプターを購入する前に、レンズに数字が印字された絞りリングあるかどうかを確認してください。銀塩用交換レンズには、ほとんど絞りリングがあるため、あまり気にする必要はありません。
AF用のレンズでも、このように絞りリングとMFリングがあればオールドレンズ用のマウントアダプターが使える。