演劇・コンサート/おすすめ舞台・公演

劇場にGO! 2013年9月~10月演劇ガイドお薦め舞台

鬼のような猛暑も落ち着き、2020年の五輪招致が決定した東京はすっかりスポーツモード……いやいや待って、待ってえ! 2013年・秋、劇場でもスポーツに負けないドラマの数々が起きています。今回はその中からガイド注目の舞台「MIWA」「ロスト・イン・ヨンカーズ」「ぬるい毒」「コーラスライン」の4本をPick Up!

上村 由紀子

執筆者:上村 由紀子

演劇ガイド

2020年の東京五輪招致も決定! 気分はすっかりスポーツの秋モード。聖火リレーに出場するために今からジョギング始めなくっちゃ……って、待って待ってええ! 秋はエンタメの世界が最も熱い季節。スポーツもいいですが、劇場で起きている様々なドラマを体感してみませんか?今回は演劇ガイドの推し舞台4本をご紹介しちゃいます!

三谷幸喜 ニール・サイモン封印解禁! 「ロスト・イン・ヨンカーズ」

待ってた! この組み合わせを待ってたよ! そんな観客たちの喝采が聞こえてきそうです。三谷幸喜さんが劇作家になるキッカケの1つとなった「おかしな二人」。その作者である劇作家、ニール・サイモンのピューリッツアー賞受賞作「ロスト・イン・ヨンカーズ」をPARCO劇場40周年と云うアニバーサリーイヤーに、満を持して三谷幸喜さんが演出します。

余りに思い入れが強過ぎ、敬愛し過ぎて、これまでニール・サイモンの戯曲を演出することを敢えて封印してきたという三谷さん。長い封印期間を経て、個性的な俳優たちと共に創り上げられる家族の物語……いやあ、何だかゾクゾクします。

ロスト

ロスト・イン・ヨンカーズ


鮮烈な印象を残した「猟銃」(2011年)以来、2回目の舞台となる中谷美紀さん、今回が三谷作品への初挑戦となるTOKIOの松岡昌宏さん、東京サンシャインボーイズ時代からの盟友・小林隆さん(「東京サンシャインボーイズ」の名前は、ニール・サイモン作「サンシャイン・ボーイズ」から取ったそうです。) 「おのれナポレオン」ではキーになる役を演じた浅利陽介さんらに加え「東京サンシャインボーイズ」と同時期に一世を風靡した「第三舞台」の中心女優・長野里美さん、オーディションで選ばれた入江甚儀さんらの魅力的なキャストの競演……キテますコレは。

中でもガイドが個人的に超ワクワクしているのが、1992年、今から21年前に青井陽治さん演出の同作品(当時のタイトルは「ヨンカーズ物語」)で今回と同じミセス・カーニッツ役を演じた草笛光子さんのヨンカーズ再登板! 以前から草笛さんと三谷幸喜さんの組み合わせで作品が出来る事を心待ちにしていましたので、今回の発表にはテンションが上がりました!

描かれる時代も国も違うけれど、21世紀に日本で生きる私たちが観て、きっと何かが心に刺さる「ロスト・イン・ヨンカーズ」。 少し肌寒くなり、好きな人や家族の事をふっと思い出すこの季節にぴったりの舞台かもしれません。

パルコ劇場40周年記念公演 パルコ・プロデュース「ロスト・イン・ヨンカーズ」

【作】ニール・サイモン
【上演台本・演出】三谷幸喜
【出演】中谷美紀、松岡昌宏、小林隆、浅利陽介、入江甚儀、長野里美、草笛光子
■東京公演
10月5日(土)~11月3日(日)<全36回公演予定>
PARCO劇場
【チケット料金】8,500円(全席指定・税込)
東京公演終了後、福岡、宮城、大阪、愛知、神奈川公演あり

公式HP http://www.parco-play.com/web/play/yonkers/

■2013年10月16日 「ロスト・イン・ヨンカーズ」舞台レビューをUPしました。
記事は → コチラ


吉田大八監督、夏菜と本谷で舞台やるってよ 「ぬるい毒」

何だか物凄いコラボレーションというか、いつもの如く意表を突かれるというか……な、劇団、本谷有希子の番外公演「ぬるい毒」。本作は本谷さんの同名小説を、「桐島、部活やめるってよ」で2013年日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、映画賞を総ナメにした吉田大八監督が脚色し演出を手掛けるという、ちょっとした’事件’のような舞台です。

本谷さん自身、「この小説は絶対に舞台化は不可能! だから何度も吉田監督に辞めてくれるよう説得しました。」と語ってしまうこの作品。「嘘」と「復讐」をモチーフに、登場人物たちの心情が二回転半するあの感じが舞台でどう表現されるのかめちゃめちゃ気になるところです。

23歳を人生のタイムリミットに決めて生きる熊田由理を演じるのは、「あまちゃん」一作前のNHK朝ドラ「純と愛」でヒロインを演じた夏菜さん。「純と愛」最終回で、約1分に渡って披露された詩の朗読シーンはある意味伝説になりましたが、この舞台ではどんな伝説を作ってくれるのでしょうか。

熊田の人生を翻弄する向伊役にはテレビドラマや映画で活躍中の若手俳優・池松壮亮さん。何と、劇団四季の「ライオンキング」でヤングシンバを演じていたキャリアも持つ実力派です。

本谷有希子の小説、吉田大八監督の脚色と演出、そして朝ドラ女優と元ヤングシンバが織りなす最高&予想もつかない化学反応! 客席で心をジタバタさせながら観たい作品です!

ぬるい

ぬるい毒


劇団、本谷有希子 番外公演 「ぬるい毒」
[原案・原作]本谷有希子
[劇作・脚本・演出]吉田大八
[出演]夏菜  池松壮亮
板橋駿谷 札内幸太 新倉健太 高橋周平 石井舞 一瀬麻衣子 井端珠里 川村紗也
[日程]9月13日(金)~9月26日(木)  紀伊國屋ホール

公式HP http://nuruidoku.tumblr.com/

→ 次のページでは秋の超話題作と34年間続くアノ作品をPick Upします!

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