公的医療保険は窓口で、民間の保険は後から保険金を請求する
保険に入ったはよいけど、保険金請求ってどうやってやるの?
しかし、実際には、私たちは公的医療保険に加入しているため、病院の窓口で健康保険証を提示することで、支払う金額を大幅に減額することができます。
この仕組みは病院の大小に関わらず、基本的には全ての病院で構築されており、公的医療の範囲内であれば、「高額医療費」でない限り、「とりあえず私たちが立て替えて全額を支払って、後に保険(公的医療保険)で回収する」といった経験をした人はいないはずです。
一方で、医療保険や傷害保険など、病気やケガによって病院のお世話になったとき、保険金をもらうことができる民間の保険に加入していた場合に、それを盾に病院の窓口で、「保険会社から保険金がもらえるから、個人が負担する医療費だけ支払わせて」なんて申し入れる人はいないでしょうし、また、病院もなかなかそれを承諾してくれるとも思えません。これは、病院からみて保険会社の支払いに対する信用がないからではなく、単に、常識として「そういうものではない」からです。
つまり、私たちの生活の常識として、公的医療保険については病院側で私たち個人と健康保険組合等のそれぞれが負担すべき金額を分けて請求してくれて、個人が個別に加入している保険については、特別の干渉をしないようになっていて、私たちはそれが当然として生活していると思います。
ペット保険には、2つの保険金請求の形態がある
ところが、「ペット保険」についてはどう整理してよいものか考えさせられてしまいます。というのは、ペット保険は人間でいう公的医療保険のような補償内容なので、病院の窓口で精算できて当然とも思えますし、いやいやペット保険はあくまで「民間の保険会社が提供している保険」なので、病院ではとりあえず飼い主が治療費の全額を支払って、後に保険会社に保険金を請求するとも思えます。そして実際には、保険金の請求方法について両方の形態があります。まず、ペット保険最大手のアニコム損害保険の場合には、該者と提携関係にある動物病院については窓口で「どうぶつ健康保険証」を提示することで、人間の公的医療保険のように「自己負担分のみの支払い」とすることができます。
一方で、アクサ損害保険が取り扱うペット保険や、アニコム損害保険でも提携関係にない動物病院については、とりあえず飼い主が治療費の全額を支払って、後に保険会社に保険金を請求する仕組みになっています。
治療費の全額を支払った場合に、どのようにして保険金を請求するのか
そこで本稿では、ペットの治療が保険金の支払いの対象であることを前提として、アクサ損害保険の保険金の請求方法について紹介したいと思います。まず、動物病院で治療を受けた場合には、いったん、その費用の全額を支払ってください。次に、保険会社に連絡をして保険金請求書を送ってもらってから、「動物病院様ご記入欄」は動物病院に記入してもらい、「被保険者様ご記入欄」には被保険者が自ら記入して、領収書とともに保険会社に送付してください。ここまでを、基本的には30日以内に行ってください。
そうすると、保険会社で書類の確認ができてから30日以内をめどに、皆さんが保険金請求書に指定した口座に保険金が振り込まれるはずです。
保険金を受け取るにあたって、動物病院の窓口で精算する場合と比較して、少し手間と時間がかかってしまいますが、人間の医療保険や傷害保険と同じと考えれば、それは当然のこととして手続きをすることができると思います。
手続きの途中で書類の書き方などがわからなくなった場合には、保険会社のコールセンターなどに相談してみるとよいでしょう。丁寧に教えてくれるはずです。
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