フォトプリンタなど小型化が可能な熱転写式
熱転写式は近年使われることがほとんどなくなったが、「昇華型」と呼ばれる方式が一部のフォトプリンタで用いられることがある。昇華型とは固体のインクフィルムに熱を加えてインクを昇華(固体を気化させること)させる方式のこと。温度を細かく制御することで、昇華させるインクの量を調節できるため、小型でも高画質を実現しやすい。染料インクフィルムを用いるため元々の耐水性や耐光性は高くないが、専用紙にフィルムコートを施すことで高い耐水性・耐光性を実現するモデルが主流となっている。
昇華型のデメリットは、インクが乾くまで次に進めないため印刷速度が遅いことと、印刷コストが比較的高いことだ。キヤノン「SELPHY CP800」の場合はL判写真印刷1枚で約39秒かかり、1枚あたりの印刷コストは約26.3円(インク・用紙の合計コスト)。ちなみにキヤノン「MG8130」はL判1枚約17秒で、印刷コストは約19.2円だ。
現在はフォトプリンタのみに用いられている方式なので、印刷品質やコストなどのバランスを考えて選ぶといいだろう。