東証のPERは、15~20倍
では、PERは、何倍なら割高で、何倍ならば割安なのでしょうか?ここで、東証1部の企業のPERの推移を見てみましょう(出所:東証HP)。上の図は、2004年7月以降の9年間の推移です(それ以前は、PERが100倍を超えるような異常値になっているため除外しました)。PERがゼロの年がありますが、この時期の1株当たり当期純利益がマイナスであったためです(PERにマイナス値はありません)。
このようにして見ると、PERは、だいたい0~35倍の範囲で推移していることがわかります。そして平均値を計算すると20.6倍になります。また、直近の2013年7月末のPERは20.5倍です。
ですから、平均的な上場企業は、1株当たり当期純利益が「1」であれば、株価が約「20」であるといえます。ゆえに、PER20倍を適正株価の目安として、PERが20倍以上であれば株価は割高、PERが20倍以下であれば株価は割安、と見ることができるでしょう。
「予想」のPERは日経新聞でチェックできる
ちなみに東証が公表しているPERは、「現在の株価」÷「過去の1株当たり当期純利益の実績値」です。でも、投資家ならば、当期の業績見通しをもとに計算した「予想PER」も知りたいですよね。実は日本経済新聞が毎朝、マーケット総合1のページにおいて、当期の予想1株当たり当期純利益に基づいて計算した予想PERを掲載してくれています。8月28日の日本経済新聞によると、東証1部の予想PERは、15.75倍です。
実際の株価形成は、過去の実績利益よりも当期の予想利益で行われるでしょうから、予想PER15倍というのも割安、割高を判断するひとつの目安といえるでしょう。
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