社会保険労務士試験/社会保険労務士とは

合格後の社労士資格の活かし方【30代後半~40代】(2ページ目)

資格は試験に合格しただけで実際に使わなければ宝の持ち腐れになってしまいます。特に難関資格の社会保険労務士で、労働・社会保険関係の法律を猛勉強したのに、その知識を活かさないのは実にもったいない。そこで、合格者の年代・性別パターンによって、どのような資格の活かし方があるか、ご紹介したいと思います。今回は、30代後半から40代の方の場合です。

長友 秀樹

執筆者:長友 秀樹

社会保険労務士試験ガイド


営業戦略上、差別化がポイント! 特定業界への特化や、得意な業務を打ち出す

全国で約2万3000人の開業社労士が活動している中で、新規に開業する社労士が生き残るために、営業戦略上、ライバルとの差別化はとても大切です。

30代後半から40代の方であれば、自分が仕事をしてきた業界についてかなり詳しくなっているでしょうし、転職をして複数業界を経験した方でも、どこか愛着の持てる業界があるのではないでしょうか。

この年代の方が開業するのであれば、「○○業界に強い社労士」とか「○○業界専門社労士」といった形で、自分の経験を活かすのは差別化のポイントの一つです。

また、特定業界にターゲットを定める方法以外にも、就業規則や助成金、メンタルヘルス対策など、自分の得意業務を打ち出す戦略もあります。

業務経験のない方は躊躇するかもしれませんが、「何でもできます」は「何も得意なものはありません」の裏返しでもあります。

社労士会が開催する研修会や、外部セミナー、書籍などで研究すればある程度の知識・ノウハウは得られますので、是非ご自分の得意業務を作る活動をしてみてください。

その他に面白いところで、自分の特殊な経歴をキャッチコピーに使って、上手にPRしている方もいます。私も、僧侶資格を持っている社労士さんや、元自衛官の税理士さんとご挨拶したことありますが、お二人とも一度ご挨拶したら絶対忘れることはありませんよね。

業務未経験での転職は厳しい、経験者であれば人事部門での仕事に直結

30代後半から40代の方で人事・労務経験がないと、社労士資格を取得しても、企業の人事部や社労士事務所等へ転職するのは非常に厳しいでしょう。

企業の人事部門や総務部門などに勤務している方は、社労士としての知識がご自分の仕事に直結します。

昨今は、頻繁に労働関係法令が改正されたり、雇用形態や労働者の就業意識が多様化したりで、企業の労務管理は非常に難しくなっています。

また、企業に求められるコンプライアンスも厳格化の一途を辿っており、人事・労務業務に関わるスタッフには高度な専門知識が必要とされていて、社労士ニーズは高まっています。

可能であれば、合格後は勤務登録をして、積極的に社労士としての能力を磨いてください。勤務登録をすると、社労士会の研修や勉強会などを通して、社外の専門家から貴重なアドバイスを得られたり、最新のノウハウを学ぶことができます。

また、他社の人事部門などへの転職を目指す方には、大きなアピールポイントになります。

決して資格を持っているだけで転職が有利に働くものではありませんが、前述したとおり、最近は企業の労務管理に対する社労士ニーズが高まっています。

社会保険労務士は非常に旬な資格と言えますので、資格を取るなら、まさに「今でしょ!」と言えます。
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