シングルマザーの厳しい現実
しかし、「シングルマザーとして、ひとりで子育てをしていく」と言うことは、簡単ではないこともしっかり認識しておくべきです。「全国母子世帯等調査」(厚生労働省)によると、母子家庭の平均年収は全世帯の平均所得の37.8%しかありません。また、母子世帯の預貯金額は、「50万円未満」が48%、「100万~200万円未満」が8%、「50万~100万円未満」が7%となっており、経済的にかなり厳しい状況にあると言えます。実際、同調査でも、8割近い母子家庭世帯は「生活が苦しい」と答えています。
さらに、シングルマザーの中でも未婚の母には、また別の問題があります。未婚母子家庭の場合、現在の税制では寡婦控除が受けられません。「寡婦」とは、死別または離婚した後、1人で子どもを育てている人のこと。未婚の母の場合はこれに当てはまらないので、寡婦控除27万円がありません。従って、離婚・死別と比べて所得が高いことになり、結果として税金が高くなったり、児童扶養手当の減額や保育園の保育料が上がるなど、様々なデメリットが発生しています。
「産めるときに産む」と言うのも大切ですが、ドラマを通じてシングルマザーの現実をしっかり理解しておくことも大切かもしれません。