一人前の講師になる
一人前の講師として教壇に立つまで、多くの先輩講師から学ぶことは多い
まずは、薬剤師国家試験の一分野を担当する講師として先輩講師と同様の授業が行えることが求められます。
講師としての1年間の流れ
多くの予備校では翌年3月の国家試験合格を目指して、新年度のコースが始まります。一年コース、半年コース、直前コースがありそれぞれ6月、9月、12月に開講されます。どのコースも直前は問題演習が主なので、各コース内容に大きな違いはなく、これらの違いはそれまでの基礎知識の強化にどのぐらい時間をかけられるかが異なります。ほとんどの生徒は9月からのコースを選びます。働きながら薬剤師免許取得を目指す方のために土日コースも設けられています。他にも夏期講座、冬季講座等の短期講座、オンライン講座等もあります。当然、講師としての生活も、年明けにラストスパートをかける薬学生に合わせたものとなり、3月の国家試験に向かって忙しくなっていきます。
予備校に就職するには
予備校講師も多くは元予備校生、だからつまずくところもわかっている
多くの予備校講師に共通して言えるのは、実は講師自身が元はこれら予備校の生徒だったということです。当然、生徒は予備校の雰囲気も体感していますし、生徒は講師の仕事を間近にみているので予備校側としても採用においてミスマッチが少なくなります。
しかし、就職してもすぐに教壇に立てるのではなく、一定の研修を経て模擬授業がある程度のレベルに達したのち講師デビューとなります。給料も講師デビューの前後では変わるところが多いようです。
予備校講師で独立する
人気のある講師ならば独立して予備校開設も夢ではない
なかには予備校を新たに設立してしまう者もいます。大手予備校の一つも、もともと講師だった現社長が独立して開校したというのは有名な話です。さらに、その予備校からも別の講師が独立したりしています。
薬剤師になるための予備校というある意味、ニッチな分野ではありますが講師力が問われるという参入障壁の高さがあります。大手の予備校で経験を積んだ講師ならば、独立にチャレンジしてみるのも面白いかもしれません。
講師としての実績がすべてで、人気のある講師には生徒はついてきてくれます。
予備校講師という職業のデメリットをあげるとすれば、薬局、病院等の現場とは離れているので実務経験が不足してしまうということでしょう。
やはり、薬剤師の仕事で求人が多いのは患者さんのいる現場に近い仕事なので、予備校を退職して通常の薬剤師として医療現場に戻ろうと思っても、前職の経験が生かしづらいという問題はあります。しかしながら、新しい薬剤師を誕生させるというやりがいと、毎春3月に生徒とともに合格を喜べる感動は何物にも変えられません。
薬ではなく「薬剤師をつくるという仕事」。ここでも薬剤師は活躍しています。