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富士登山前の注意点! 知っておくべき高山病とは(3ページ目)

山酔い、高地脳浮腫、高地肺水腫などが起きる高山病。1800~2500mを超える地域への旅行や登山で発症する危険性があります。症状と判断の目安、対策法を正しく知っておくことが大切です。予防に使える薬などもあわせてご紹介します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

子どもは高山病にかかりやすい

子どもの登山

子どもを連れての登山でも注意が必要です。

子どもの高山病は大人より起こりやすいと言われています。その理由として、早期発見の難しさと子ども特有の問題あります。

  • 子どもの高山病は早期発見が難しい
1つには、山酔いの段階で気づいてあげられるかどうかです。子どもの高山病の症状としても、頭痛、吐き気、体のだるさ、食欲不振と言った症状があります。これらの症状は、実際に嘔吐するまで、周りの大人から気づくことが難しい症状です。そのため、子どもの訴えが無い場合は、早期発見が難しいのが1つの特徴です。

できるだけ、15~30分程度の周期で「頭が痛くないの?」「吐き気は無いの?」「だるくない?」と声掛けをし、顔色にも注意してあげましょう。しんどそうな顔をしている時は要注意です。

  • 大人のような典型的症状でない場合がある
また、子どもの場合、大人の高山病のような典型的な症状でない時もあります。ハイテンションだから大丈夫と言うわけではありません。もし、意味不明な言葉を言っていれば、脳浮腫が進んでいるかもしれません。そういったことからも、声掛けが重要になります。

  • 脱水に注意
そして、脱水にも注意してください。吐き気や嘔吐が続くと、体内水分量が多い子どもでは脱水になります。汗を見ながら、水分摂取ができているかどうかを確認しましょう。水分を摂りすぎもよくないので、嘔気時に少しずつ水分を、肺水腫、脳浮腫の可能性があるときには、水分を制限します。

  • 子どもは多くの酸素が必要
子どもは代謝が盛んで、心拍数も多いので、体内により多くの酸素を必要とします。そのため、酸素が少ないとその影響が出やすくなります。水分バランスからみても、脳や肺に水分が停滞することで、脳浮腫、肺水腫を大人よりも起こしやすいです。

子どもの高山病で使う予防薬および治療薬

アセタゾラミド(ダイアモックス)は、子どもでは、2.5mg/kg で使用されることがありますが、安全性が確立していません。長期投与では成長が遅れることもあります。ステロイド薬も長期投与は成長への影響があります。以上より、なかなか子どもに使用できる薬が少ないと言えます。

以上から、早期発見による早期対応から、子どもの体調、顔色に注意して、下山を早めに判断することが大事です。
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