子どもは高山病にかかりやすい
子どもを連れての登山でも注意が必要です。
子どもの高山病は大人より起こりやすいと言われています。その理由として、早期発見の難しさと子ども特有の問題あります。
1つには、山酔いの段階で気づいてあげられるかどうかです。子どもの高山病の症状としても、頭痛、吐き気、体のだるさ、食欲不振と言った症状があります。これらの症状は、実際に嘔吐するまで、周りの大人から気づくことが難しい症状です。そのため、
子どもの訴えが無い場合は、早期発見が難しいのが1つの特徴です。
できるだけ、15~30分程度の周期で「頭が痛くないの?」「吐き気は無いの?」「だるくない?」と声掛けをし、顔色にも注意してあげましょう。しんどそうな顔をしている時は要注意です。
また、子どもの場合、
大人の高山病のような典型的な症状でない時もあります。ハイテンションだから大丈夫と言うわけではありません。もし、意味不明な言葉を言っていれば、脳浮腫が進んでいるかもしれません。そういったことからも、声掛けが重要になります。
そして、脱水にも注意してください。吐き気や嘔吐が続くと、体内水分量が多い子どもでは脱水になります。汗を見ながら、水分摂取ができているかどうかを確認しましょう。水分を摂りすぎもよくないので、嘔気時に少しずつ水分を、肺水腫、脳浮腫の可能性があるときには、水分を制限します。
子どもは代謝が盛んで、心拍数も多いので、体内により多くの酸素を必要とします。そのため、酸素が少ないとその影響が出やすくなります。水分バランスからみても、脳や肺に水分が停滞することで、脳浮腫、肺水腫を大人よりも起こしやすいです。
子どもの高山病で使う予防薬および治療薬
アセタゾラミド(ダイアモックス)は、子どもでは、2.5mg/kg で使用されることがありますが、安全性が確立していません。長期投与では成長が遅れることもあります。ステロイド薬も長期投与は成長への影響があります。以上より、なかなか子どもに使用できる薬が少ないと言えます。
以上から、早期発見による早期対応から、子どもの体調、顔色に注意して、下山を早めに判断することが大事です。