士業は商売、資格だけでお客が取れるほど甘くない

社労士が稼げる資格(どの程度を稼げるとするかは、人により異なるでしょうが)であることは間違いありませんが、ここで誤解してほしくないのは、「資格を持っている」だけでは、いつまでも仕事は来ないということです。

社労士として開業に失敗する方は、この点について認識が甘く、資格学校のキャッチコピーを鵜呑みにしてしまったか、自分の経歴や能力を過信してしまったのか等、営業で失敗するケースがほとんどです。

士業の世界は、今や弁護士・会計士でも簡単には稼げない時代です。士業も独立・開業してしまうと他の業種と何ら変わらない商売であり、資格は単なる肩書に過ぎなくなりますので、成功するかどうかは、本人の営業力次第です。

勤務時代に豊富な人脈を持っていた方でも、開業したら当てが外れ、さっぱり仕事が来なくて苦労したというケースがあります。このように、勤務時代の人脈は、すぐには当てにできないものです(長い目で見れば貴重な財産ですが)。仕事を軌道に乗せるには、どんな方でも最初は営業に汗をかかなければならないのです。

開業を目指す方は、このことを強く肝に銘じておいていただきたいと思います。

それでも社労士の営業環境は明るいぞ!

社労士について少し厳しいお話をしましたが、これから新たにこの世界に飛び込んで成功できる可能性、将来性を考えると、実は2つのポイントで、他の士業に比べて良い環境下にあると感じます。

1つは、企業関与率です。

日本の企業全体に対し、税理士は既に9割以上の関与率があるとされますが、社労士はまだ3割程度とされており、新規開拓の余地が大きいと言われています。これに対しては、そもそも企業ニーズがないという反論もありますが、果たしてそうでしょうか? 次の2つめのポイントにその答えがあります。

2つめは、労務管理に対する企業ニーズの拡大です。

昨今、マスコミ報道などで「ブラック企業」について取り上げられる機会が増えました。

ブラック企業とは、求人広告業界で「入社を勧められない企業」や「早期の転職が推奨されるような体質の企業」のことを呼ぶようになったと言われていますが、ブラック企業でなくとも労務管理に課題を抱えている企業はたくさんあります。むしろ、細かく突けば穴のない企業なんてほとんどないのが実情ではないでしょうか。

厚生労働省もついに本年(平成25年)8月から、全国4000社を対象にブラック企業の実態調査に乗り出すことになりましたが、企業のコンプライアンスに対する社会の目は厳しくなる一方で、事実、私の事務所にもそのような労務コンプライアンスのチェックや改善に関するコンサルティング依頼が増えています。

ですので、このような企業ニーズをきちんと取り込めば、この分野で唯一の国家資格である社労士は、まだまだ伸びていけます。社労士は、自分の知恵と営業努力次第で十分な高収入を稼げる資格です。独立・開業を目指している方は、是非チャレンジして下さい!
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