相思相愛の若い二人を切り裂く、残酷な戦争
■作品名風立ちぬ(1976)
■監督
若杉光夫
■主演
山口百恵、三浦友和
■DVD販売元
EMIミュージック・ジャパン
■おすすめの理由
山口百恵主演の文芸映画シリーズの第5弾となったこの作品は、原作は堀辰雄の小説で、若くして死んだ薄幸の少女と、その少女に寄り添うように最後まで見守る青年の純愛物語です。
■物語は……
昭和17年の軽井沢。
病気で療養中の水沢節子(山口百恵)に想いをよせる友人の結城達郎(三浦友和)。
節子のお見合いの話がもちあがるが、友人達の計略で見事に破談になる。
戦局が悪化する中、達郎は節子に想いを打ち明け結婚を誓い合うが、親友の戦死がきっかけで結婚を諦める。
一人淋しく軽井沢で療養を続ける節子。
そこを訪れた達郎は、節子と面会し再び結婚への想いを新たにする。
そして達郎が戦地に赴く時間が迫り、節子の容態は悪化してゆく……
相思相愛の若い二人を切り裂く、残酷な戦争。
病に侵されながら日に日に弱って行く節子と、戦地に赴いたら生きて帰れる保証などない達郎。
あまりにも切なく悲しい、この時代を描いた悲恋です。
献身的に尽くす好青年は三浦さんがぴったりで、薄幸の美少女役は百恵さんによく似合っています。
悲しいストーリーですが、若い二人のひと時の燃え上がる愛を描いた見事な文芸作品だと思います。