目的のためなら手段を選ばない「夜の顔」を持つサラリーマン

■作品名
蘇える金狼
■監督
村川透
■出演
松田優作、風吹ジュン、千葉真一、佐藤慶、成田三樹夫、小池朝雄
■DVD/Blu-ray販売元
角川エンタテインメント


昼間は冴えないサラリーマン。しかし、安物のスーツの下には鍛え抜かれた肉体と秘めたる野望が……。

この設定に、人気深夜ドラマの『特命係長・只野仁』を思い出した方もいらっしゃるでしょう。
只野仁のモデルとなった人物は、『蘇える金狼』の故・松田優作さんではないか、と言われています。

東和油脂に勤める朝倉哲也(松田優作)は、表向きは目立たず真面目なサラリーマン。しかし、彼の「裏の顔」は、そこからは想像もできないものだった。ボクシングジムに通い、鍛え抜かれた肉体と明晰な頭脳を武器に、強引な手口で会社の乗っ取りを企む……。

朝倉の、昼の顔と夜の顔のギャップがすさまじいです。勤務中のカツラは少々やり過ぎのような気もしますが。
ただ、昼間の彼がダサければダサいほど、目的のためなら手段を選ばない、ここぞというときの非情さがいっそう際立ちます。
迫りくる敵を躊躇なく殺し、上司の愛人を麻薬で手なずけて操り……。
ありとあらゆる手を使って地位と金を手に入れた彼は、ついに美しい社長令嬢との婚約に至ります。会社を乗っ取るという当初の目的まで、あと少し……。

こんな朝倉がラストシーンで、手なずけたはずの女に刺されて死ぬなんて、「え? 嘘!!」と言いたくなりますが、ここが唯一、朝倉の人間らしさが見えるところ。
目的のために近づいた女に、わずかでも愛情を感じていたということでしょうか。
当時20代半ばだった風吹ジュンさんの、美しいヌードと鮮烈な演技も見どころです。

松田優作さんのような強烈な個性を放つ俳優は、もう二度と出てこないかも知れません。
そして、松田さんの演じる野望の塊のような男も、今の日本では絶滅危惧種なのではないでしょうか。





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